第1回大阪市地域公共交通会議 一旦中断15日再開
タクシー関係者から不満噴出 説得できず時間切れ

2021年1月1日付・新春特別編集号

【大阪】令和2年・第1回大阪市地域公共交通会議(会長=内田敬・大阪市立大学工学研究科教授)が昨年12月22日、大阪市役所内で開かれた。大阪市が8月4日から28日間実施したAIオンデマンド交通の社会実験プロポーザルで、大阪メトロが平野区と生野区で行うとした案が採用された。しかし、会議の当日、当初は8人乗りワゴン車計39両で実施したいとしていた社会実験を計10両に縮小して行うと説明。社会実験では計画を自在に変更できることが図らずも露呈した格好だ。会議では不満を表明する委員が多数を占めたため、一旦中断し、1月15日に再開することになった。当日の論議の概要は次の通り。

会議は一旦中断、1月15日再開

すでに12月1日に制定されている大阪市地域公共交通会議運営要綱に基づき、会長に内田教授を選任、内田氏が議長となって会議が進行された。内田氏は会長代行に井上亮・大阪市都市交通局長を指名した。運営規約案も了承された。内田会長は就任にあたり、「インフォームドコンセントは医学用語ではあるが、十分に説明を受け、正しく理解をした上で、合意形成を図るということを胸にして会議運営に務めたい」とコメントした。

会議では、3月から大阪市平野区と生野区の一部地域でAIオンデマンド社会実験を予定していることに対して、タクシー関係者、地域住民などの委員から、さまざまな意見が出たことから、議長は予定されていた2時間内で社会実験の実施に関する決議は無理と判断して会議を一端中断、1月15日に再開することになった。

内田会長は「複雑な事情が絡みすぎている。大阪市都市交通局が主催して募集した。たまたまだと信じたいが、応募者が旧大阪市交通局の大阪メトログループだ。どうしても、大阪市としての交通政策や、これをきっかけとして、この路線で行くんだとなりがちだ。さらに、この中で実験的取組を行うには、いろいろと制約がある、ということが絡み合っている。この場で何を議論して何を決めるべきか、参加者の思いがそれぞれ違うところで話がすれ違っている。私の誘導がまずかったならお詫びしたい。再度、事務局サイドで論点を絞り込んでいただき、この場で真に議論して協議を整えるべき議題は何なのか。そもそも論についても大阪市都市交通局に詰めておいていただきたい。それまで1カ月ほどかかると思う」などと語った。

会議では冒頭、高橋徹副市長が「今後、人口減少、高齢化の進展など、人口動態の変化が見込まれていることから、将来にわたり持続可能な公共交通ネットワークを維持するための検討が必要と考えている。一方、大阪府市は、先端技術による住民の生活の質の向上を目指す大阪スマートシティ戦略を策定しており、スマートモビリティの推進に努めているところだ。こうしたことから、将来にわたり、持続可能で、さらなる移動サービスの向上を目指すため、AIオンデマンド交通などの新たな交通手段により、キメ細かい移動サービスを検討していくことが必要と考えている」と述べた。

また、塚本大・大阪市都市交通局バスネットワーク企画担当課長が「近年、急速なテクノロジーの進化による新しいスマートモビリティーが台頭しており、私たちを取り巻く生活環境の変化はめざましいものがある。本市としては、新しいスマートモビリティーの一部であるAIオンデマンド交通の導入の可能性を検証することにより、将来にわたって持続可能な移動手段となり得るかについて検討していきたい。そこで、このたび審議をお願いすることになったAIオンデマンド交通の社会実験を民間の事業者に実施していただき、各種データや利用アンケート等の分析を通じて、市民利用者の皆さんに有益な移動手段になり得るかについて検証していただきたい」と開催趣旨を説明した。

生野 平野 住民から厳しい指摘

意見交換の第一部では、社会実験の対象となる生野区と平野区の委員から発言を募り、質疑応答した。

社会実験を予定している「民間」事業者の大阪メトロは生野区の社会実験について、3両が稼働し、予備車には平野区と共通で1両を配置することになったことを説明。当初案の6両から半減化したことを明らかにした。車椅子での乗降を可能する車両の導入については「スタート時には未整備」とした。利用者定員は8人で、乗車時に運転席の横に設置される運賃箱に大人210円、小人110円を投入する。クレジットカード利用はスマホアプリから可能。運行時間は朝6時~夜11時。運行間隔は1両1時間あたり最大3便。電話予約の場合は朝9時~夕方時まで受け付ける。予約はいずれも当日のみ受け付けられる。乗車はあらかじめ決められた地点(ミーティングポイント)に黄色いマークが既存バス停を含む74カ所にちょう付され、利用者はそこから乗降する。車両は、14人乗りのトヨタ・コミューターを8人乗に改造したもの。

これに対し、地域委員からは「電話予約受付時間を運行時間に合わせてほしい」との要望があり、大阪メトロは「当面はこれでやらせてほしいが、利用状況を考えて改善したい」と答え、「車椅子で乗車できるようにしてほしい」との要望に対しては、「車椅子に乗ったまま乗車できる設備は備えていないが、運用していく中で対応を考えたい」と答えた。「バス、地下鉄との乗り継ぎ運賃を検討してほしい」との要望があった。

山口照美・生野区長は「今回の社会実験では生野区西部エリアのみとなっているが、東部エリアの方が利用者は多く、早く東部エリアでも乗車できるようにしてほしい。ミーティングポイントの設置について、地域に寄り添って住民の要望を聞いてほしい」と要望した。大坂メトロは「エリア拡大については、社会実験の状況を見ながら検討したい。社会実験は3つのフェーズに分けているが、3つ目のフェーズ期間を見据えたい。ミーティングポイントは必要に応じて増やしたいが、調整に一定の時間がかかる。社会実験開始までに検討したい」と答えた。

大岡理人・南タクシー社長は「タクシーと同じような事業形態なので、210円の運賃設定では、利用者が流れると危惧する。新たな車両の導入で運転者と予約受付オペレーターの確保をしていては、結果がでるのか」と疑義を呈した。

平野区の社会実験では、車両は当初案の33両から7両に減らし、予備車の1両は生野区と兼用する。車両は平野区A、B共通で運行する。ミーティングポイントは、平野区Aは78カ所、平野区Bは61カ所(既存バス亭、A地区B地区の相互乗り場も含む)。地域住民からは「エリア拡大はどのくらいの期間が必要か。ミーティングポイントは12月11日に合意としているが、合意した覚えはない」と質問。大阪メトロは「社会実験期間中に状況を見ながら、3つのフェーズのどこかのタイミングで再度、議論したいが、当初案の通り進めたい」「ミーティングポイントについては1年の社会実験中に皆さんの声を聞き、利用状況を見ながら検討したい」と答えた。

内田会長は「今回示したミーティングポイントで進めるのか」と補足質問。大阪メトロは「社会実験開始後も追加していく考えだ」と回答。「後手後手に回るのではなく、先に住民との打ち合わせの上で、ミーティングポイントを設置してほしい。エリア拡大はこれまでの平野区の会合で確認しているが、早くて3カ月、遅くなると8カ月かかるという回答だった。8カ月後では、利用状況は確認できないのではないか」との意見を述べた。

平野区地域振興会長は「障害者の乗降対応は、どのようにしようと考えているのか。障害者の中には、目の不自由な人もいる。そのような人には必ず介添え者が必要だ。それをどうしていこうとしているのか。瓜破地域への拡大を検討すると聞いているが、具体的には」と質問。大坂メトロは「車椅子での状況は不可で当初は運行したい。介添え者については、運賃については210円の乗車でお願いしたい。エリア拡大は今後検討したい」と答えた。「スルッと関西などICカードの利用は可能か」との要望があった。

稲嶺一夫・平野区長は「自転車移動が多い地域柄で、タクシー利用者はひじょうに少ない。タクシーとの棲み分けをして新たな需要喚起を望みたい。Bエリアには、市営住宅等、公営住宅が多数ある。高齢者が多く、バス亭から遠く、地下鉄駅からも遠いということもあり外出が困難だ。今回のオンデマンド交通が実施されると、買い物もでき、経済が回り、高齢者の健康増進につながる。ミーティングポイントは市営住宅の近くに設置したらどうか。市営住宅は高層化を進めており、土地が空くようになる。そこを利用して交通対策を考えてほしい」と答えた。また、広域化を望む声に対して、大阪メトロは「あまり広域エリアの運行になると効率が落ちる。実験の結果を踏まえて考えたい」と回答した。

第二部では、主にタクシー関係者から発言があり、大阪メトロなどが質問に答える格好となった。

感染対策 車椅子対応はなおざり

坂本篤紀・大阪タクシー協会副会長(日本城タクシー社長)は「使用する車両の問題だが、コロナ禍の状況下、8人の定員では密の状態になるのではないか」と質問。大坂メトロは「換気、消毒など現在の路線バスで行っているのと同等の対策はやっていきたい。14人乗りを8人乗りに改造して一定のスを確保している。ただ、感染の状況によっては、今後どのように推移していくか分からない。さらなる乗車人員の制限についても、場合によっては検討していかなければならない」と答えた。

さらに、坂本氏は「隣の人と肘と肘がぶつかる状況で、さらに感染が拡大したら社会実験はしないということでいいか。今回、施行規則3条の3で、定期運行ではないのでリフトは必要ないということで始めたのだと思う。大阪メトロの説明では、1年半も2年も前からオンデマンド交通を計画していた。車椅子利用者が車椅子をたたんで空きスペースに置き、乗車する場合は運転者が手伝うことになる。もしくは乗車を断ることになるのか」と質問。

これに対し、大阪メトロは「さらに感染拡大の状況が悪化した場合は、4人掛けの席には、真ん中に座らないという形に整理して運行することは必要だと思う」と答えた。大阪市は「緊急事態宣言等、国民の外出抑制が行われるような状態になれば、社会実験の開始時期を遅らせることはある」と答えた。大阪運輸支局は「車椅子の対応は、区域運行なので、バリアフリー法の適用は除外される。車両に車椅子利用者を運ぶ設備がないときは、乗車を引受けなくてもいいことになっている。ただ、公共交通機関として乗車を引受けるということになると、介助が必要になる」と答えた。大阪シティバスは「介添え者、他のお客様、運転者が介添えして乗車いただくことになっている。ただ、電動式の車椅子は重量があるので利用できないが、できるかぎり車椅子利用者に乗車していただくことを考えている」と答えた。

坂本氏は「実際には、1時間に1両、車内には1人程度の利用になると思うが、そうなると、タクシーとどう違うのか。タクシーでは、AIオンデマンド交通はとっくにやっている。ラストワンマイルについても、東京では東京メトロがタクシーのアプリとつながるとHPで謳っている。車椅子への対応の乱雑さは、タクシーなら対応可能な車両に乗り換えるということになると、当然ながら、当該タクシー事業者がその責務を負うことになる。にもかかわらず、できることはするが、できないことはしないというのでは、募集期間が1カ月足らずで民間を巻き込んだと言ってしまいながら、1年半も考えていたのに、車椅子そっちのけ。また、この車両には、脳梗塞の人が果たして乗れるのか、ということを聞いてみたかっただけだ。何も、すること事態は間違えていないと思うが、できない人に対しては、できないままで、とりあえずやらせろという姿勢が本当に正しいのか疑問だ。本当に民間事業者を巻き込んだものなのか聞いてみたい」と質問。

大阪市は「募集は公募の形をとった。募集期間を約1カ月にしたことに対しては、大阪市公募型プロポーザル方式のガイドライン等を参考にして設定した。7月30日に市長の記者会見で公表、8月3日から8月末までを募集期間とした。今後の取組は来年度以降もこの社会実験は継続していくので、AIオンデマンド方式が真に市民に受け入れられ、地域の期待が高まれば、あらためて公募を行う可能性もある」と答えた。

町野革・ワンコインタクシー協会会長は「この運賃では、タクシーでは間違いなく赤字になる。社会実験後の事業化を視野に入れ、採算を検証したのか」と質問。大坂メトロは「社会実験の中で収支をとっていこうとすると、かなりの乗車人員が必要になる。今回の社会実験で実際に収支がとれるかということもあるかと思うが、社会実験の期間にどのような数字がとれるのか、この運賃が適切なのかも含め、全部検討しなければならないと考える」と答えた。

町野氏は「将来にわたる試算もなしに社会実験を行うは、かなり乱暴な話だ。税金を少なからず投入することになるかと思う。この収入が減っているときに、将来にわたる試算もなしに社会実験を始めるのは乱暴だと思う。社会実験で出た数字で、事業化したら大赤字になるという試算が出たら、一市民として税金の無駄遣いはやめてほしい」と意見した。内田会長は「今回の1年限りの社会実験で収支が償わないというのはわかりきったことだが、例えば将来、このような方法でうまくいったときにはどの程度の規模で行うというイメージはあるのか」と質問。大坂メトロは「今回、1回の運行で200人程度の利用という規模感になるかと思う。運賃を210円に設定したのは、もともと路線バスで運行しようと思っていたからだ」と回答した。

市の補助なし、事業予測なしでは関わりたくてもできない

黒田唯雄・大阪タクシー協会常務理事は「私たちも積極的に関わっていきたいという趣旨はある。今回の提案については、まず実験ありきだ。事業予測すら出されていない。将来的に黒字化していくという話なら、そのようなシミュレーションをある程度出さないと、どのような議論をしたらいいのか分からない。これが持続可能な公共交通になるのだろうかと疑問に思う。我われは民間事業者なので、大坂メトロのように赤字で運行するような提案はできない。あくまでも適正原価と適正利潤で判断した上で、我われは提案していくことになるだろう。最初から赤字覚悟で、社会実験をやらせて下さい、というのでは、民間事業者はついていけない。これは、本来であれば、自治体が主体的に公共交通計画をどうつくるのか、という上に立ち、導入に関しては市民の貴重な税金を使うのだから、それを含めて公共交通をどう維持して守るのかという市としての計画がなければ、実際に民間から提案しても、民間主導だけでいける時代なのか。今の時期、どの自治体をみても、民間だけが提案してうまくいっているという事例は聞いたことがない。それぞれの自治体はご苦労されて関係者と話し合い、税金の使い方も含め、持続可能な公共交通はどうあるべきかを議論して社会実験を行い、よりよい方向性を示しているのだろうと思っている。今回は民間100%で一切、大阪市は関知しないというものなので、私たちとしては、良い提案ができていない。大事なのは、需要予測は必要だし、その上に立って目標を立てて、採算面を含め、ある程度の方向性を出すことだ。実際に社会実験を行ったときに、それをどう評価するのか。評価基準をどうしていくのか、評価指標は輸送人員なのかを示していかないと、ただ、社会実験をやらせてほしいだけでは、まさに行き当たりばったりだ。とりあえずやってみて、状況を見ながら区域拡大をやっていく、ということでは、これが大阪市(と大坂メトロ)の提案としていいのかと疑問に思っている」と発言。

大阪市は「今回は大阪市の提案ではなく、民間からの提案だ。この社会実験に関して税金を使うということは全くない。現状で地下鉄、路線バス、タクシーの十分なネットワークができているかについては、いろいろな意見があるところだと思うが、今後、人口減少、高齢化の進行となると、現状を維持することが難しくなる。そこでさいわい、ICT技術が進展してきたという背景で、今までになかったことができることにより、事業者にとっても事業性があり利用者にとっても利便性があるという新たなものができるのではないか。大坂メトロが何の計算もせずに実験をやろうというわけでは当然、ないとは思うが、我われの方から話をしたとかいうことは一切なく、そのようなことが前提になっていない。もし、この実験を通じて、うまく展開していけることが確認できれば、次の展開に進んでいく。一定の可能性があると思っている。今後、路線バスの維持がたいへんなところが出てくるだろう。一方、タクシーだけで全市民の足が補えるかについても難しい。そこで、ここに相当期待している。制度面もここで意見をいただきながら、実験で改善をしていき、本当に皆さんがより良いシステムだと思えるのか。それを実験を通じて確認していきたい」と答えた。

内田会長は「新しい技術へ向けて、何かしらトライアルをして、次の段階で実験でアプローチで不適切ということが分かれば継続しないし、まだ実験が必要ということであれば、当然、他の提案者からの提案を受けてやっていくこともあるだろうし、具体的な交通政策に入っていくこともあるだろうが、現時点ではある程度の期待感を持って見守っているというのが大阪市の立場という理解でいいのか」と確認を求めた。

大阪市は「8月に行った1カ月の公募期間で締め切って、終わってしまうということではない。次の実験をどう展開していくかというのは、(皆さんからは)なかなか聞きにくいところだとは思うが、そこは門戸を閉ざしたということではない」と説明した。

内田会長は「地域公共交通会議の場で協議が調わないと社会実験ができない仕組みなので、そのための場所を設定したのであって、今後について特定のことを定めて大阪市として提案したり、陰で話をしたりということではないということでいいか」と要約、大阪市は「その通りだ」と答えた。

大阪市は地元のタクシー会社がどうなってもいいのか

新南都交通の井原聡・労組委員長は「今回の提案には憤りを覚えた。平野区で60年、地元密着でやってきた。この事業が成功したら死活問題になる。そこまで考えてやろうとしているのか」と質問。大阪市は「超高齢化が進み、自宅から出られない人の外出支援が必要だ。オンデマンドシステムが住民の利便性に寄与するものになるのではないかと仮定して提案した」と答えた。再び、井原氏は「再度伺うが、大阪市は既存のタクシー事業者のことを何も考えずにやろうとしているのか」と質問。大阪市は「全体の活性化に寄与できると考えており、既存の需要を奪い合うという発想ではない。自転車、歩行者の新たな需要を掘り起こして移動の総量を増やす可能性がある。交通事業の一つの起爆剤としてオンデマンド交通が寄与できるのではないかと考える」とした。

髙岡祥介・大阪市地域振興会副会長から「最近の高齢者は膝を痛めており、手押し車を押して歩いているが、今回の車両がそういう人たちに対応できるのか。これからバスを改造すると思うが、座席を両側にするなど改造できないのか。低床式になっているのか。200人に利用してもらおうということなら、電話受付時間も運行時間に合わせ、朝6時~夜11時まで行うなら分かるが、朝9時~夕方5時までの対応で、もし、50人、100人程度の利用に留まるというデータが出ても、何故、このようなサービスで1年間頑張ろうとしてるのか、その気持ちが見えてこない。敬老パスでも利用できるようにしておかないと、高齢者には苦痛だと思う。赤字にならないよう、実験の途中で改良するような対応はできないのか。赤字だからやめるというのでは困る」と苦言を呈した。

黒田氏は「このコロナ禍でたいへんなときに、何故3月実施にこだわるのか。今この時期に社会実験を実施して、キチンとしたデータがとれるのか」と疑義を呈した。

これらの声を受け、内田会長は「大阪メトロは、この実験でどのようなことを期待していて、得られた成果をどう活用するのか」と質問。大阪メトロは「フェーズを3つに分け、それぞれのフェースで分かってきたことを変えていく。車椅子対応も実証期間中にやらないということではなく、各フェーズで最善の策をとり対応したい。体制・経営の話も出たが、我われもこれだけのことを当社だけでできないと考えている。それについては、実証実験までの間に密に話の場をもちたいと考えている。データの活用という点では、新たな需要を掘り起こすという側面もある。今回の社会実験で得られたデータをそれらに役立てられるよう、前向きに公表していきたい。地域公共交通会議に限らず、そのようなことを進めて行ければと思っている」と答えるに留まった。

写真:2020年12月22日、大阪市役所で開かれた令和2年第1回大阪市地域公共交通会議冒頭の模様