全タク連10月定例正副会長会議で自民タク議連総会決議など報告
東京、「ニューノーマルタクシー」を2両試作 実験走行
来春完成に向け試行錯誤 空気清浄機 空気の状態示すタブレット等を搭載

2020年10月21日付・第501/206号



【東京】全タク連は10月15日、東京都千代田区の「自動車会館」で、10月度定例正副会長会議を開いた。東タク協会で試作的に2両の運行をしている「ニューノーマルタクシー」について、7日の自民党タクシー・ハイヤー議員連盟総会で公表され、参院議員会館前に置かれた「ニューノーマルタクシー」には20人以上の議連所属議員が見学に来るほどの関心の高さだった。

冒頭、川鍋一朗会長は「コロナ禍の輸送実績は、地域によって差があり、まだそれほど回復していないということが、毎月のサンプル調査による速報データで感じている。先週の水曜(10月7日)、自民党タクシー・ハイヤー議員連盟の総会が開かれた。来年選挙があるからなのか、開催する時間が良かったからなのか、50人程度の本人出席があり、すごく活気があった。

先生がたの発言も、実のあるものが多かった。皆さんが日頃からタクシーを巡る状況をしっかりと伝えていただいている現れと御礼を申し上げたい。日頃の皆さんの活動の積み重ねを実感することができた。決議では、コロナ禍の中、生き抜こうという決意のもと、いくつかの項目を政府に要請している。ライドシェアが出てきて、タクシーは判子のように目の敵にされることがないように細心の注意を払いながら進めていきたい。

ニューノーマルタクシーについて、渡辺・議連会長、盛山・議連幹事長から2回ずつぐらい説明があった。電車・バスで移動するならタクシーの方が安全というもので、これまでにも換気性能が良いなどがあったが、今回は目に見える形で空気清浄機で室内の空気をきれいにする。コロナだけでなく、花粉シーズンの需要もあるかもしれない。タクシーのよいところの底上げを図っていきたい。

空気の状態がタブレットモニターで目に見える形にしているところが特徴だ。運転席を囲むようにL字型にした飛沫防止版など、運転者向けの感染防止策として効果がある。すぐには全車搭載というわけにはいかないが、徐々に試行錯誤して、どれが利用者、運転者に効果があるのかを見極めて、来春、来年あるであろうオリンピックに向けて、世界一空気のきれいなタクシーをアピールしていきたい」と述べた。

佐々木昌二・前副会長(後に行われた第151回理事会で顧問に委嘱)が出席し、「あいさつもなく、リタイアしてしまった。(自粛)総会では機会がなかったので、残念に思っていたが、今日は川鍋会長、神谷理事長からお呼びがかかり、喜んで来た。全タク連の正副会長会議には通算10年、出席してきた。コロナ終息後は、何よりも運賃改定に取りかかりたい。菅総理は、後任の佐々木宏行副会長と同じ秋田の出身だが、竹中平蔵とぴったりの関係なので、その辺は我われも念頭に置いてお願いを考えていかなければならないと思っている。今後ともよろしくお願いしたい」とあいさつした。

羽仁正次郎副会長(鹿児島県タクシー協会会長)は、「先月6日の台風10号ということで、準備はしていた。鹿児島は台風銀座で、戦時中、戦後と台風に悩まされている。たいへん強い台風で、約10社ほどが大なり小なりの被害を受けたが、早速、全タク連からお見舞いを過分にいただき、びっくりしたところだ。皆さんからも直接お見舞いをいただいた。皆さんのご厚意に厚く御礼を申し上げたい。鹿児島の会員一同、喜んでいる」と御礼の言葉を述べた。

写真:上=川鍋一朗・全タク連会長 中=佐々木昌二・前副会長 下=羽仁正次郎副会長