新型コロナウィルス軽症者輸送用車両導入
京都の都タクシー 保健所と相談 福祉と一般の2両
トヨタ純正部品で空調をセパレート化

2020年9月1日付・ 第496/201号

【京都】都タクシー(京都市南区、筒井基好社長)は8月27日から新型コロナウィルスに感染した軽症者輸送用にトヨタ・ジャパンタクシーと福祉専用車両のトヨタ・ハイエースの運行を始めた。

ジャパンタクシーは、運転席と利用者用の後部座席を感染防止ビニールシートで完全に遮断、後部座席がある車内空間に向けては、トヨタ純正部品によるノズル付き空調器を設置して、運転席と後部座席のエアコン空調が混ざらないようにして感染対策を施した。空調の改造費用は約7万円。一方、ハイエースは、運転席と後部座席のスペースを感染防止ビニールシートで完全に遮断した。空調は運転席と後部座席スペースに分かれて送られる。患者の乗降は京都府保健所または病院の職員が行い、運転者は運転に専念できるようになっている。

筒井社長は「保健所から新型コロナウィルス感染症感染者の軽症者輸送について、いくつかの質問をされ、そのすべてができると答えたところ、ひじょうに喜んでいただいた。いちばんいけないのは、タクシー会社がどこも対応できないということだ。新型コロナ患者輸送は当社も含め京都業界で数両、あればいいのかな、と思っている。京都では、第一波のときには、このような話は、保健所からはなかった。このような車両をタクシー会社が保有していること事態が、広く利用者の安心感につながるのだと思う。ちょうど、我われがマスクをして安心して外出できるのと同じように」と語った。

新型コロナウィルスに感染した軽症者輸送は大阪では東京・日本交通が8月初旬から9人乗ジャンボタクシー車両の運転席と後部座席を感染防止ビニールシートで完全に遮断した3両で運行を始めている。この間、大阪府保健所の指示に従い、指定ホテルへ1両あたり1日3~6回運行している。1運行あたり1~2人の乗車という。東京・日本交通の担当者は「今のところ、十分に対応できていると思う」と語った。





写真:上=軽症者輸送用のトヨタ・ジャパンタクシー(上)と後部座席の空調機から伸びた送風用ノズル(下)、
下=後部座席の空調機から伸びた送風用ノズル(上)とハイエースにの後部座席用空調。標準装備されており、改造の必要はない(下)