コロナ感染者増受け、自治体が要請
福山市のアサヒタクシー、コロナ軽症者を輸送
中古のシエンタ空調改造 運転席と分け感染防止

2020年8月1日付・第494/199号

改造したシエンタの車内

【広島】広島県福山市のアサヒタクシー株式以会社(山田康文社長、140両)は福山市の要請で軽度の新型コロナウィルス感染患者搬送用にトヨタ・シエンタ1両を導入した。同車両には、運転席と後部の患者乗車スペースを遮る透明ビニールシートを張り、空調も運転席と後部患者乗車スペースに分けた。後部は座席を一列外し、足下のスペースを広くするとともに、空調用パイプを下から通し、別々に喚起ができるようにした。

空調の改造はトヨタ系列の業者が行った。福山市で新型コロナウィルス感染患者を搬送するタクシーは同社の1両だけ。福山市保健所は8月初旬に説明会を開き、感染防止策と輸送の際のマニュアルを徹底する。当初、福山市が用意した車両は老朽化が著しかったため、感染防止と安全確保の観点から同社が中古車両を購入した。その後、市から購入費用補助の連絡があったという。市との3年契約で8月中に患者搬送を開始する見通しだ。

6月下旬には地元の複数メディアが情報を聞きつけ、同社が新型コロナウィルス感染患者輸送のため専用車両を導入したことを伝えていた。緊急事態宣言が解かれ、一時は沈静化に向かうかに見られていたため購入後2カ月、専用車両は運行されなかったが、福山でも新規コロナ感染者が増加してきたため、7月下旬に保健所が動いた。

写真:改造したシエンタの車内