全タク連・7月正副長会議で各地副会長が議連に要望
GoToキャンペーンではタクシーの恩恵は望めない
全国共通タクシークーポン券の発行を

2020年7月11日付・第492/197号

【東京】全タク連7月定例正副会長会議では、自民党タクシー・ハイヤー議員連盟会長・事務局長が出席して、コロナ禍対策等について語り、各地からの意見を聞いた。出席者からの主な意見は次の通り。

今井一彦副会長(北海道ハイヤー協会会長) 7月4日、赤羽大臣、一見局長らが北海道に来られ、バス・タクシーなど観光関係からヒアリングを行った。北海道は、全道のタクシーが共通で乗れるクーポン券を7000円で発行し、1万円分乗れるように準備をしている。今、ゴーツーキャンペーンをやろうとしているが、それと同じような仕組みで、北海道の総予算は24億円ぐらい。バスの観光ツアー、タクシーも観光支援ツアーを組んだ、6月24日から発売した。販売した内容は、残念ながら、バス、タクシーのツアーはゼロだった。すべて温泉旅館に行き、2万円分が1万円の商品が売れた。この二の前を踏まないよう、いろんな仕組みを考えてほしい。温泉旅館を入れると、どうしても、そのような形になってしまう。例えば、全国共通のタクシークーポン券など、直接、我われ事業者に行き渡るようなことを考えてほしい。

市村祐二副会長(石川県タクシー協会会長) 残念なことに、交通事業者のタクシー・ハイヤーにまで回ってこないのが現状だ。ぜひ、全国共通のタクシーチケットを配布してほしい。本当に回ってこない。旅行業者は、タクシーを使いづらい。温泉旅館にどうしても集中してしまう。石川県でも6月中旬から、県民割と称して、当初予算4億円、結果的に16億円になった。でも、そのほとんどは、ごく限られた高級旅館に行った。タクシーの需要はゼロだった。だから、ゴーツーキャンペーンを、この二の前を踏まないよう、お願いしたい。その一つが、全国共通チケット。ぜひ実現するよう、考えてほしい。

田中亮一郎副会長(福岡県タクシー協会名誉会長) 修学旅行は、10月以降はバスの予約が100%入ってきている。問題は、いつ第二波が起こるか分からないので、予定は旅行代理店が押さえているという状況だ。実際に、昨年までは、どこどこの高校というのがあったが、今年は旅行代理店が押さえていて、それが全部履行されてからでないと100%にならない。50人、100人単位で行っている地域は90%ぐらい戻ってきている。地域経済が回っている地域は、売り上げは高くはないが、90~95%ぐらい戻っている。札幌や福岡がそうだ。しかし、多くの会社はテレワークで業務を行っており、外へは出てきてない。

福岡空港では、いつも来ていた人たちのうち2万人弱がまだ来ていない。自治体で商品券を配布していても、仕事がないと回っていかない。ライドシェアというが、ライドシェアは呼びたいのにいない。ウーバーイーツなどの出前サービスもそうだが、呼びたいのに配達員がいない。いても、手数料を払うことになる。そのようなところをタクシーに任せるということを行政に入っていただければ、認識が変わっていくだろう。それぞれの協会が県や市町村に行き、お願いをしなければいけないが、もう一押し、仕事をつくっていくことが必要ということを指摘したい。地域交通プラス医療機関の応援、災害支援など観光をはなれたところで、地域の経済活性化のためにもMaaSの仕組みができるように行政にお願いしたい。

渡辺博道・自民タク議連会長 コロナ対策で、他の公共交通機関は使えなかったが、タクシーなら使えるというイメージはひじょうに大事だ。意見を踏まえて、バックアップしていきたい。

一見勝之・国交省自動車局長 MaaSは、インバウンドが望めない中、国内旅行をどれだけタクシーに集約できるかがポイントだ。ゴーツーキャンペーンは、バス・タクシーを使うので、そこをうまく活用できないか。運輸局に連絡し、運輸局から自治体に可能なかぎり、各協会に協力してもらい、地方交付税臨時交付金をタクシーに回していただけないか、というお願いをしてもらう。運輸局と協会が力を合わせて自治体を訪問し、お願いをしていく。行けるところが限られているので、効率的に行いたい。タクシー出前サービスは好評だ。利用者の皆さんにも、このような仕事のやり方があるのかな、と思ってもらえている。

写真:三密を避け、大会議室で開かれた全タク連・7月正副会長会議