ふく福タクシーが京タ協加盟、京都北部全事業者を網羅
京都府タクシー協会北部分科会 本運賃改定延期を報告

2019年9月11日付・第468/173号

京都府タクシー協会北部分科会(日本交通福知山営業所)で冒頭あいさつする川本副会長(左上)

【京都】京都府タクシー協会は9月4日、福知山市の日本交通福知山営業所で、北部分科会を開いた。日本交通福知山、舞鶴京都タクシー、日交コンフォートの日交グループ3社が4月に入会、10月1日付で慶和(ふく福タクシー)が入会するため、北部事業者全社が京タ協に加入する。会合では、本運賃改定延期問題を中心にした報告となった。

冒頭、担当副会長の川本恵三・京都タクシー社長は「兼元会長が就任してから3年余り、南部分科会と北部分科会をつくり、それぞれの地域で活性化を図ろうということで、実質的な会議はこれまで開催していなかった。日本交通福知山、舞鶴京都タクシー、日交コンフォートの日交グループ3社が4月から入会した。慶和(ふく福タクシー)さんには、長いことお誘いしていたが、今般、正式に入会していただけるということで、北部の全事業者が京都府タクシー協会に入会されたということで、私もありがたく、鼻が高い。皆さんといろいろな課題について、意見交換しながら、進めていきたい。本日は、北部分科会の本来の議題ともう一つは、8月30日にお知らせを受けたかと思うが、新運賃が前代未聞、劇的な動きがあり、10月1日からの消費税転嫁と本運賃改定については、消費税転嫁は認めるが、本運賃改定については延期で、さらなる検討を加え、いったん棚上げになった。昨日は、たまたまキャッシュレスタブレットの関係で、以前からの約束で、ジャパンタクシーの川鍋一朗会長(全タク連会長)と会食する時間をもち、いろいろと意見交換をしてきた。ありえないことが起きてしまった」と述べた。

京都北部では昨年12月10日から3月31日までの間、8社から申請があった。7割ルールをクリアし、申請率は81・82%だった。京都北部運賃は、特定地域にも準特定地域にも指定されていないが、利用者懇談会を南丹市と福知山市で開催し、概ね理解してもらっていた。京都北部地区では、自動認可運賃が8月30日に公示され、物価問題に関する関係閣僚会議で、複数の関係省庁から「消費税率改定に伴う運賃改定と通常の運賃改定を同時に行うことについては、より丁寧な検討が必要と考える」との意見等が示された。そのため、運輸局の局長ら担当者から会長、副会長、専務理事に電話で連絡があった。

消費者委員会(第57回公共料金等専門調査会)が8月6日開かれ、JRの消費税転嫁、JR北海道の通常運賃改定、バスの消費増税転嫁、タクシーについては東京特別区の消費税転嫁について意見が求められ、議論された。人口50万人以上の都市を含む運賃ブロックは消費者庁と国交省との協議対象になっているが、現在、運賃ブロックが99地区あり、そのうち48ブロックから本運賃改定申請が提出され、そのうち22ブロックが人口50万人以上の都市を含む地区で、協議が必要になっている。

継続審査を決めたのは、東京特別区の消費税転嫁について協議する物価問題に関する関係閣僚会議だが、これは持ち回りで開かれており、どのような資料で判断されたのかは分かりかねる――などの報告があった。

近畿ハイヤータクシー協議会は、12日に近畿運輸局長と面談し、意見交換する予定であることも合わせて報告された。

京都北部地区では、本運賃改定が実施されれば、23年ぶりになるはずだった。

川本氏は「近運局では、お盆が終了したころには内々に数字をお知らせするということが伝えられていたが、お盆を過ぎてもまったく、そのような動きはなかった。大阪運賃ブロックに関しては、初乗距離が1・7キロなのか、1・4キロなのかなどを含め、なかなか情報が入ってこないというこて、ちょっときな臭いな、という点もあったが、まさか全申請済の地区が先送りになろうということは、ゆめゆめ思わなかった。27都道府県協会がかかわる事案になっていた。運賃ブロックベースでいうと、ほぼ半分の地域で、消費増税に合わせ、本運賃も改定しようということで申請が行われていた。京都市域では、昨年4月から初乗短縮方式により運賃改定を実施していた。場合によっては、このときに一緒に申請しようか、という思いもあったが、当時はまだ会員になっていない事業者が多かった中、なかなか7割ルールもあるので、慎重に取り扱ったつもりだった。

聞くところによると、いろいろな地域で、2019年の消費増税実施時に合わせ、本運賃改定をしようという動きがあった。京都では消費増税で8%になったときに本運賃改定と同時実施となった経緯があり、今回の北部地区でも、10月1日の10%への消費増税と同時に本運賃改定になることについて国交省に祖談したところ、結構ですということだった」などと述べた。

この他、京都北部で行われるМaaS実証実験でウィラーエクスプレス(北近畿タンゴ鉄道)が実施事業者に選定されたことから、地域のタクシー事業者に実証実験実施事業者として参画の勧誘があった場合、積極参加するよう促しがあった。また京丹後市の運転代行業者による白タク行為に関する報告があった。

写真:京都府タクシー協会北部分科会(日本交通福知山営業所)で冒頭あいさつする川本副会長(左上)