福岡トヨタ自動車株式会社と福岡トヨペット株式会社、
福岡県タクシー協会とフレンドシップ協定締結

2019年9月1日付・第467/172号

【福岡】福岡トヨタ自動車株式会社及び福岡トヨペット株式会社と福岡県タクシー協会とのフレンドシップ協定の調印式が8月20日、福岡市東区の福岡運輸支局で行われた。 九州では初めての協定。全国では神奈川、静岡、兵庫に続いて4番目だが、福岡以外の3県は女性運転者を対象にした協定。一方、福岡は男性運転者も使用できる。UD車両や福祉車両等、車いす利用者が利用できるバリアフリー・多目的トイレ設置店があり、こうした施設が利用できる協定は全国初。すでに福岡県タクシー協会では、県と災害協定を締結しており、同協定とリンクした活用されれば、大きな効果が期待される。

当日は、中井眞紀・福岡県タクシー協会会長が「この協定を機に、タクシー業界は公共交通機関として安心・安全をはかり、さらなる利用者サービスに努めていく」とした上で、「近年、全国各地で豪雨、地震等の自然災害が発生しており、福岡県では昨年、一昨年の豪雨により、利用者の依頼でお迎えに行く途中、また乗車中に道路の冠水により、利用者はもちろんのこと、運転者も被災する事態が発生した。平成29年には8両水没、平成30年には21両が水没した。そうした中、全国で、地震や災害時における運転者、利用者の避難場所としてトヨタ、トヨペットの店舗を活用する協定が結ばれたということを聞いている。福岡県タクシー協会においても、災害時の避難所を何とかしなければならないということで、昨年から福岡トヨタ、福岡トヨペットさんと協議を重ね、本日の調印式になった。調印にもとづき、豪雨、地震等の災害時における運転者、利用者の避難場所として、福岡トヨタ、福岡トヨペットの県内各店舗、施設等を活用させていただくことになった。また、最近はUDタクシーがたくさん運行されている。そうした中、車いす利用者が多数利用することになるが、乗車中にそうした利用者が体調を崩すという人もいる。そうした場合に店舗のトイレや休憩室、さらに飲料水の提供などをしていただくことで、安心してタクシーを利用していただけるものと考えている。タクシーは24時間、フル稼働しているし、無線も搭載している。最新の災害情報、道路情報等を提供することもでき、たいへん便利だと思っている。互いに連携して、防災、高齢化社会の現状を鑑み、社会貢献に積極的に取り組みたい」と述べた。

来賓の坂本正弘・福岡運輸支局長が「災害時に福岡トヨタ、福岡トヨペットの両社の施設が、タクシー運転者、お客様の緊急避難先として利用できる。また、タクシー運転者は無線などを通じ、最新の災害情報を提供することになる。平常時の運転者や利用者が体調不良になった場合等に両社の店舗を休憩場所として利用できるということで、特に女性運転者には利用度が増すのではないかと思っている。福岡県内ではこの数年、ひじょうに大きな豪雨災害が発生している。この協定は防災、さらには災害から命を守る、ひじょうに有意義な取り組みであると考える。合わせて、運転者不足が深刻なタクシー業界において、女性運転者がますます増加活躍するために、この協定が強力なあと押しになると確信している。本日、フレンドシップ協定が、九州で初めて締結されたことに、心から敬意を表するとともに、この協定が継続し、さらには発展することを祈念する」と語った。

福岡トヨタ、福岡トヨペットは本社・特販部・法人営業部含め県下81カ所に店舗を構えており、そのうちベビーシート設置店が65カ所、バリアフリー・多目的トイレ設置店が44カ所ある。3月末現在、福岡県で運転者証が交付された運転者は1万5169人、このうち女性運転者は519人で3・42%。営業中に安心して利用できるトイレや施設が増えることで今後、さらなる女性運転者の増加が期待されている。

写真:左から、中川恵司・筑後地区タクシー協会会長、上村謙二・福岡市タクシー協会副会長、市川利治・福岡トヨタ常務取締役管理本部長、中井眞紀・福岡県タクシー協会会長、川久保正一・福岡トヨペット常務取締役営業副本部長、嘉久礼子・筑後地区タクシー協会会長、山路泰弘・北九州タクシー協会副会長