運行管理システムを開発した富士通株式会社Моbiltyシステム事業本部プラットフォーム事業部の金載烈博士(環境学)に聞く

2019年8月11日

運行管理システムを開発した富士通株式会社Моbiltyシステム事業本部プラットフォーム事業部の金載烈博士(環境学)

【加賀】自動で乗合の運行計画ができるようにしている。予約は従来は電話予約だけだったが、システム化することでインターネットなど、いろいろな予約手段から予約ができるようになった。また、少ない車両数で、いかにたくさんの人を乗せるかという点をシステム化することにより、自動的に計算できるようになった。今までだと、オペレーターさんが電話で予約を受け、紙ベースで集計していた。オペレーターさん個人のノウハウで作成されていたものが、自動化できるようになった。高齢者が8割以上、使われていて、インターネットが利用できると、高校生も利用できるようになる。全体的に市民の利用層を増やしたいという意向があった。高齢者に対しては、しばらくは従来の電話予約になるが、インターネットの使い方の出前講座をしたりして、高齢者もスマホで簡単に予約できるように支援していく。高齢者は、アプリをダウンロードするのに抵抗感がある人が多いので、QRコードで読み取れば、ウェブアプリに移行し、ログインすれば予約できるようになっている。今後、1年以内で利用している高齢者の1割がインターネットで予約できるようになると、波及が速く進むと思う。今は、人が予約を受け付けているので、予約時間が制限されている。夜間に予約したいという人でも、ウェブサイトがあるので、その時間帯でも予約できるようになる。高齢者が自分で予約できなくても、家族の人が仕事などから帰ってきたとき、明日の予約が夜間でもできるようになる。利用実績についても、今までは第一交通さんから加賀市にファクスなどで送付し、加賀市がエクセルで電子化していたので、コストがかかっていたが、第一交通さんと加賀市が同じレポーティングアップを連携している。利用実績が可視化されているので、期間を指定すれば出てくるようになっている。そこは加賀市としてメリットがある。また、乗降場のデータがわかるので、それを町づくりに生かしていくことができる。登録者はたくさんいるのに、何故このエリアからの利用は少ないのか、という疑問が起きたときに、この地域で重点的に告知活動をしようということもできる。データを活用して、市の政策にも反映できるようにしたい。今後の展望としては、例えば、医療センターの診察日に合わせ、第一交通さんに電話しなくても、予約ができるようになれば、利用の利便性が高くなる。社会福祉協議会など、高齢者がよく行く場所との連携ができれば、全体の輸送量を増やすことができる。このようなことを、全国で第一交通さんが行っている乗合タクシーに生かしていきたい。デマンド交通は地域特性があるので、その部分をデジタル化していく。デマンド交通は実施までに時間がかかるので、こちらから、新しい自治体には、このようなことを導入した方がいい、という提案が、運行事業者の第一交通さんと一緒にできればいいと思う。  (談)