林励・DiDiモビリティジャパン副社長 MaaSへの対応に言及
2019年7月30日
【広島】林励・DiDiモビリティジャパン副社長は7月24日、広島市内で本紙記者のインタビューに応じた。内容は、次のとおり。
本紙 日本におけるDiDiの戦略について、あらためてお伺いします。大都市圏では広島で3カ所目になると思います。未来に向け、どのような戦略を持っていますか
林 まず最初に重要視していることは、日本全体をカバーするということです。ですから、今回の広島は、重要なステージだと思っています
さらに、今後数カ月、大都市を含む地域を増やしていきたいと思っています
本紙 都市の規模についてお伺いしますが、今は、人口100万人以上の都市圏を中心に展開されているようですが、人口というのは、日本全体をカバーするのに、関係してきますか。それとも、中国からのインバウンドを重視するということなのでしょうか
林 いい質問だと思います。実は、両方見ています。まず、都市の規模を見ますし、ほとんどの場合、インバウンドを見ます。今は、中国ですが、オーストラリアや南米でも展開しているので、そちらからの人数も見ています
本紙 北京などでは、DiDiが中心になって、交通渋滞対策など、交通政策に携わり、MaaS的な役割を果たしていると聞いています。日本でも、ようやく全国19カ所でMaaSの実証実験が行われます。DiDiとしての日本におけるMaaS実証実験への参画あるいは参入について、どのように考えていますか?
林 長期的には、中国だけでなく、日本を含めた世界のMaaSサービスということも考えてはいます。しかし、今はまだ、日本で事業を展開しはじめて1年目で、初期のステージなので、今行っているサービスを成長させることが、私たちの使命です。しかし、将来的にこれまでのパートナーとMaaSについて進めていくということは考えています
本紙 今のサービスのスパンについてお聞きしたいのですが、いつまでに完成させたいと考えていますか?
林 日本国内の主要都市をカバーするのは、年内を目標に行っている。でも、それだけでは十分だと思っていないので、さらに成長を目指していきたいと考えています
本紙 タクシーを重点に考えるのであれば、例えば、DiDiがタクシー会社と提携して、さまざまなシステムのテストなどを重点的に行うということは考えていませんか
MaaSへの道に関することもそうですし、日本で開発しているいろいろなシステムを提携しているタクシーでテストしてみるということです
林 日本のタクシー市場は大きく、世界でも第三の市場と言われていおり、ひじょうに大きな潜在力があると考えている。もちろん、国内の法規制は遵守しなければならないと考えています。これら2点をベースにしながら、タクシー会社のパートナーにもし、新しいアイデアがあるなら、そうしたものは、ぜひ、オープンにして考えて行きたい。
もし、より良い移動手段や、サービスを良くしたいというタクシー会社があったら、一緒にやっていきたいと思っています
本紙 本日は、お忙しいところ、ありがとうございました
写真:林励・DiDiモビリティジャパン副社長