一見・自動車局長、ダーウィンの進化論でタクシーの生き残りを説く

2019年7月30日

懇親会で発言する一見勝之・国交省自動車局長

【東京】7月9日付で国土交通省自動車局長に就任した一見勝之氏は、24日、東京・品川プリンスホテルで開かれた全個協第7回通常総会後の懇親会で、来賓あいさつを次のように行った。

「私は10年前に貨物課長をしており、10年ぶりの自動車行政になる。タクシーとの関係は、25年前の平成5年、運政審の答申があった。そのときにタクシー担当をしていた。その答申で、個人タクシーは法人タクシー運転者に夢と希望を与えるものであり、ハイタク業界に新しい風を注ぐものである、と書かれている。加えて、高齢化やサービスの問題など、さまざまな問題がある、と書かれているのを思い出した。皆さん、一人ひとりのご協力を得て、解決に向けて努力している。その後、14年ほど前、名古屋の自動車部長をしていた。乗合タクシーを行ったり、タクシーの無償輸送の訴訟を受けたことを、ついこの間のように覚えている。あの当時に比べると、タクシー業界は大きく変わり、まさに隔世の感と言ってもいいのかもしれない。例えば、定額運賃、事前確定運賃、相乗タクシーの話もでてきて、ひじょうに進化しているな、という思いを、10年ぶりに自動車行政に帰ってきて、強くしている。ただ、この進化は、利用者ニーズがどんどん変わっていくので、とどまるところはないだろうと思っている。皆さん、ご存じの英国の動物学者のダーウィンが言っているのは、最後に生き残るのは、力の強い者でもない。もっとも頭の良い者でもない。いちばん良く変れる者が、最後に生き残れる、という言葉を残しているが、まさに、この通りだと思う。国土交通省自動車行政としては、進化する皆様を全力で支えたいと思っている。個人タクシーの課題としては、譲渡譲受の円滑化、労働力確保の問題がある。昨年8月から、魅力あるタクシーの実現に向けたタクシー検討会の中で、我われ国交省もアブザーバーとして参加しているが、一定の方向性をみたところだ。8月実施に向け、特に譲渡譲受の円滑化については、しっかりとやらせていただく」と述べた。

写真:懇親会で発言する一見勝之・国交省自動車局長