ウーバー、淡路島参入へ  県が招致、業界集め「研究会」
来年1月にも タクシーで「2次交通」の実証実験
プロポーザル抜きの事実上の事業者決定に同業者から不満と疑問の声

2017年10月9日

【兵庫】淡路島内タクシーのウーバーシステム導入(実証実験)研究会が10月6日、兵庫県洲本市(淡路島内)の「洲本総合庁舎」会議室で開かれた。「ウーバータクシー淡路」の仮名称で、年度内に補正予算が付き次第、来年1月にも6カ月~1年間、実証実験が行われる予定だ。これに対し、国内外で同種の配車アプリを手がける企業からは「なぜ兵庫県はプロポーザルを行わなかったのか。不公平だ」など、不満とともに決定方法そのものに疑問の声があがっている。

当日の研究会には、兵庫県から高野滋也・淡路県民局県民交流室長、新家清輝・同県民交流室未来島推進課地域再生専門官ら4人、兵庫県タクシー協会から吉川紀興会長、信原智彦、平尾文一、五十嵐一俊の各副会長のほか、池田昌宏・淡路支部長など淡路支部の13事業者のほか、第一交通産業グループ兵庫地区統括の青木勝利・第一交通産業(神戸)社長ら22人、ウーバージャパンから高橋正巳社長、安永修章・政府渉外担当・公共政策担当部長ら5人の総勢30人余りが出席した。

池田支部長、ウーバーに歓迎の言葉

冒頭、池田支部長は「関空ができて、多くの観光客が来ると思ったが、期待外れだった。淡路のタクシー業界としては、来島者は増えたが、自動車も増え、売り上げは悪い会社で最盛期の3分の1ぐらいに減っている。人口も減った。今回は、ウーバーの話を聞くと、世界中から来るお客さんを淡路島に回してくあげようということだったので、私たちの将来に明るい見通しが来るのではないかと思っている。淡路島だけでなく、兵庫県、全国に広がれば、ウーバーも、かなり潤ってくるのではないか。私たちも、できる範囲で勉強したい」と述べた。

「兵庫県がウーバーを招致」の理由

高野・県民交流室長は「淡路島の人口はピーク時の昭和30年初頭、21万人が住んでいたが、2年前には13万5千人に減った。さらにこの間、3千人減った。政府推計で43年後の2060年には8万人になると推計している。毎年1千人が自然減となり、転出入の差が年間5百人で、自然減と合わせ年間1千5百人減っている。65歳以上の高齢化率は今年、35%を越えた。兵庫県の平均は27%。このような状況の中、淡路島は大丈夫か、と誰もが心配している」と現状を説明。

観光について「淡路島は昔から、たいへん観光客の来島者が多いので、訪れる人を増やし、滞在する人を増やし、住む人を増やす。滞在人口を増やすのが島の課題解決の道ではないか。今、観光戦略をまとめており、来年度の施策に反映させたい。観光客数は近年、右上がりになっている。平成27年は日帰り客が1230万人、宿泊客が135万人。日帰り客は伸びているが、宿泊客は横ばい。明石海峡大橋が架かる前は2百万人来ていたのに比べると減っている。大橋開通当時は2千万人が島に来ていたので、まだまだ迎え入れるキャパはある。リクリエーション、歴史文化を中心に来られる人が多い。県全体では3・2%が観光関連産業だが、淡路島では14%と、突出して観光に依存している。淡路島は観光に活路を見いだしていくべきではないか。外国人が関空で乗降した人数は平成28年度で1千2百万人。日本人を含めた全体では2千5百万人。発着数も外国人乗降車数も右上がりになっている。その中で、兵庫県への外国人来訪者数は平成23年には36万人だったのが28年には149万人。これをどう評価するのか。東京は1千万人、大阪9百万人、京都6百万人。兵庫県近隣府県にはたくさんの外国人が来ている。淡路島には統計がないが、宿泊業者が持っているデータから推計すると年間5万人程度。ほとんど外国人は来ないという状況だ」とした。

有識者会議の指摘に絡め、「インバウンドの宿泊客数を伸ばすべきだが、島内に関空航路や高速バスで来た外国人がどうやって目的地まで行くのかを提示する必要があり、そこを整備しないとプロモーションは成り立たないという指摘が再三あった。淡路市、洲本市、南あわじ市の3市が路線バスの見直しに着手したが、路線バスを外国人に使ってもらうのは現実的ではない。タクシーを使った島内観光などの観光戦略をセットにしてプロモーションしていく。それ以外に2次交通を確保する手段がない。ウーバーは海外70カ国で事業展開をしており、知名度は抜群だ。そうしたところと一緒になり、島内の観光資源を開発していく。ウーバーを取り入れたといって、それだけで観光客が来るものでもない。タクシー会社には周遊コースの設定や外国人に分かりやすい説明を担当してもらう。もちろん、県、市も一緒に対外的なプロモーションを行う。外国人招致ができないかということで、今回提案させていただいた。『よし、一緒にやろう』ということになると、導入コストが発生する。淡路のためという大義名分の下、公費で支援したいと思っている。そこは十分にウーバーにも相談をさせていただき、賛同いただけるなら導入に向けて調整していきたい」との意向を表明した。

淡路島の2次交通はウーバータクシーで

高橋・ウーバージャパン社長は「昨今はアジア・太平洋地区でタクシー会社との提携が、どんどん進んでいる。本日(10月6日付)『日本経済新聞』朝刊にも出ているような取り組みが加速している。淡路島のような観光資源のある地域との良い形で協業ができれば、新しい形の交通が示せるという感じがしている」とした上で、ウーバー・テクノロジーズの紹介と招致に応じた感想を述べた。

その上で、「現在、世界78カ国6百以上の都市で利用可能となっている。世界のほとんどの大都市で使えるが、どこに行っても、設定を変えずにボタン一つでクルマが来てくれる。現地語が話せなくても、土地勘がなくても、アプリを開き、フェイスブックのような感覚でクルマを呼べる仕組みになっている。そうしたテクノロジーを活用することにより、各自治体とともに、さまざまな交通の課題の解決に取り組むケースが増えている。東南アジアでは、渋滞や環境汚染が課題となっており、そうしたところで我われの技術を使って一部解消している。ウーバーのシステムを使うと、データが蓄積され、都市開発をしているところで、都市の道の整備や公共交通の整備などに役に立っている事例もある。さらにその先、自動走行の時代が来ると考えており、米国ではすでに実証実験をはじめている」「ウーバー・テクノロジーズのCEOが最近、トラビス・カラニック氏からダラ・コスロシャヒ氏に変わった。ダラ・コスロシャヒ氏はもともと、エクスペディア(京都市は同グループと9月28日、地域活性化包括連携協定を締結)という旅行インターネット手配で最大手の企業のCEOを務めていた人物。社員数は世界で1万5千人、世界で50以上の言語に対応している。スマホの設定が日本語なら日本のタクシー、フランス語ならフランスのタクシーが呼べる仕組みになっている。アクティブユーザーは月間6千5百万人で、そうした人たちが毎日1千万回使っている。1カ月換算で3億回ぐらいウーバーのシステムを使っている。これだけの乗車数を支えるドライバーが約2百万人。世界各地で、スマホ1本でより効率的な仕事ができる、オンにさえしていれば配車のリクエストが来る仕組みになっている。ボタンを押すとクルマが来るという、ひじょうにシンプルなコンセプトになっている。スマホでウーバーアプリをAPPストアから無料ダウンロードし、ユーザー登録する。地図に現在地と自分の周りにいる空車が表示される。そこで配車のボタンを押すと、自動的に自分のいちばん近くの空車とマッチングを図る。マッチングされた状態で、ドライバーの顔、名前、車種、過去の利用者の評価が5点満点で示され、あと何分で到着するのか、という情報が画面に表示される。行き先が表示されているので、クルマが到着して乗り込むと、ドライバーは発信する。目的地に到着すると、通常のタクシーでは現金で運賃を支払うが、ウーバーのシステムを使うと、すべて登録済のクレジットカードで自動決済されるので、到着したら降りるだけでいい。そのとき、スマホに評価の画面がでて、ユーザーにドライバーの評価を求める仕組みになっている。ツータップでクルマが呼べ、現金のやり取りを省き、目的地に行けるという仕組みになっている」などと語った。

日本との関連では「日本では約3年半前にサービスを開始した。東京でウーバーブラックという、ボタンを押すと黒塗りのハイヤーが来るサービスを展開している。それに加え昨年、それそれ過疎化が進んでおり、高齢化も進んでいる関西圏の京都府京丹後市、北海道中頓別町で、我われの技術を使って実証実験を始めている。ウーバーイーツは、全く交通とは違うサービスだが、同じウーバーの技術を使い、フードデリバリーのサービスを行っている。通常、ウーバーは乗る人と乗せる人をマッチングする仕組みだが、ウーバーイーツは、ユーザー、レストラン、配達員の3者をつなぐサービスで、昨年9月にスタートし、ちょうど1年が経過した。都内ではすでに1千件以上のレストランと契約し、数千人がウーバーで配達している」と述べた。

また、淡路島への対応については「ニューヨークやロンドンなど、ウーバーが普及している都市では、このように、人びとの移動の仕方がだいぶ変わってきている。ロンドンでは、港外で地下鉄などの既存公共交通機関とセットでの利用が多い。駅まで、駅からの利用は総乗車数の3割を占めており、既存の公共交通機関を拡張するような役割を果たしている」とした上で、「淡路島まで関空から公共交通機関の船でやってくると、そこから目的地までの移動の手段がない。ウーバーでラストワンマイルのところを解決できる可能性があるのではないか。なぜ、ここまで世界中でウーバーが選ばれているかというと、いくつか理由がある。1つは安全性、もう1つはウーバーシステムが提供する安心感だと、我われは考えている。具体的には、乗る前から、ドライバーさんがどういう人なのかを見ることができる。市内の流し営業のタクシーをつかまえると、良いクルマの場合もあれば、そうでもない場合もある。運に任せるということがあるが、乗車ごとに評価されることによって、一定の品質が担保されるという仕組みになっている。乗車中はリアルタイムで、自分が今、どこを走っているかが、スマホ画面に表示されるので、海外で、土地勘がなく、不安な場合でも、ウーバーのクルマに乗って、本当に目的地に向かっているのかを確認することができる。その情報は、単に自分がアプリで見るだけでなく、知人や家族で共有することができるので、例えば、女性が夜遅くウーバーのクルマに乗っても、今、どこを走っているのか、という情報を家族が共有することができるので、一定の安心感につながる。一部の例だが、乗る前から乗った後まで、さまざまな形で我われの技術を活用し、安全性が向上している。昨年のブラジル・リオでのオリンピック開催期間中、世界から来た人たちの実に60万人がウーバーを利用した。利用者は60カ国から集まっていたということがデータで分かっている。世界中、どこへ行ってもボタンひとつでウーバーに乗れるということがポイントになったのかな、と考えている。世界78カ国で提供するサービスの内容は異なっている。タクシー業界の中で、ライドシェアが注目されがちなのかな、と思っており、実際にそうしたサービスは、世界中で人気が出ているが、決して、ウーバー・イコール・ライドシェアではなく、それは、我われが提供しているサービスのひとつである、ということをご了解しただきたい」と強調した。

ウーバー配車のタイプに触れ、「ウーバーXは、米国、フランス、英国、さまざまな国で展開しているが、実は、国によって法律が異なったりしており、若干、提供する内容は異なっている。さらにこれを乗合にしたものが、ウーバープールで、人気が出てきている。それ以外にも多数のオプションがあり、日本で展開しているウーバー・ブラック。2010年に米国サンフランシスコでウーバーが開始したときはウーバー・ブラックだった。黒塗りのハイヤーを配車するというのが、実はオリジナルのウーバーで、こうしたサービスを世界各国で提供している。大型車を指定するウーバー・バン、東南アジアやインドでは、ウーバー・モトという二輪車版のウーバーや小型車のウーバー・フォー。東京でもやっているが、タクシー会社と、ドライバーと契約してウーバー・タクシー、高齢者や障害者の乗降をサポートするウーバー・アシスト。こうしたものも各地で提供している。この半年、アジア圏の大手タクシー会社、タクシー協会との提携を行っている。ミャンマー、マレーシア、インドネシア、台湾、シンガポールのタクシー会社最大手と協議している。我われのテクノロジーを使って、タクシーの効率を上げると、タクシー事業者の売り上げ向上にもつながるし、我われのビジネスにもなる」などとした。

ウーバーのデータにも触れ「ウーバー・ジャパン株式会社という法人は、日本では旅行業で登録しており、このサービスを提供している。我われは、旅行会社として、ハイヤー会社やタクシー会社と提携している。彼らの車両やドライバーとウーバーのユーザーをマッチングさせる。1~3月の3カ月だけでも、世界78カ国の人がウーバー・ブラックというハイヤーの配車サービスを利用している。欧米だけでなく、タンザニア、ベラルーシ、アゼルバイジャンなど、世界中の人が東京でウーバーのアプリを開き、利用しているということがデータででている。空港からの利用が最も多く、六本木ヒルズ、築地への利用がひじょうに多いということが分かってきている。淡路島、あるいは淡路島+大阪で、現段階でどのくらいの人がウーバーを使おうとしているか。淡路島でもウーバーのアプリを開いている人は、多くはないがいる。大阪では、ひじょうに多くの人が、ウーバーのアプリを開いている。しかし、残念ながら、大阪ではサービスでは展開していないので、例外なくアプリを開くと『ここではご利用できません』というメッセージが出てくる。こうした需要を組み合わせることで、淡路島での交通発生の必要性や淡路島への誘致が加速していくのではないか。ミャンマーでは今年5月にサービスを開始し、初めてヤンゴンでサービスを開始した。百%、タクシー会社との提携に基づいたものだが、直接、ユーザーとタクシードライバーを結びつけ、そこに我われの技術を生かす。東京でもやっているが、海外でもひじょうに機能しているダイナミックプライシング。需給バランスに応じて料金が変動することで、なるべくユーザからすると必要なときにクルマがあり、ドライバーからは需要の多い時間に稼ぐ仕組みになっている。タクシードライバーの97%が、アプリの利用で売り上げが増えたと答えている。どんどん配車することで、実車時間を延ばす仕組みを使うことによって売り上げが増えている。乗客の84%が、ウーバーでタクシーそのものの信頼性が上がったと答えている。インドでは、流し営業しているドライバーと流し営業とウーバーをやっているドライバーのグループに分けて実証実験を行ったところ、流し営業+ウーバーをやっているドライバーの方が、乗車回数も多かったし、売り上げも上がったという結果がでている。マレーシアでは、既存のウーバーの仕組みの上に、さらにタクシーを呼びやすくすることで効率が上がり、売り上げが増え出した。利用者からすると、いちばん近くのクルマに来てほしいという要望があるので、ウーバーの仕組みで呼べるようになったことが、大きなメリットではないか。ここでも、ダイナミックプライシングを導入している」と説明した。

早ければ来年1月にも実証実験開始

質疑応答では、吉川・兵タ協会長が「兵庫県がウーバーに頼んだのか」と質問。これに対し、高野室長は「兵庫県がウーバーに相談をして来ていただいた」と答えた。また、ウーバー側は関連して「今回、淡路島でやるとしたら、タクシーのドライバーとウーバーをつなぐことを想定している」との考えを示した。高野室長は補足説明として「我われもウーバーの問題を確認した上で対応している。淡路島で行う分については、タクシー限定で、それ以外は一切、考えていない。観光客等が、船やバスを降りてからどうするのかが最大の課題。これに対応できるのはタクシー。我われが観光戦略を作って外国人を呼んできた場合、外国人が電話をかけてタクシーを呼べるか、そうした点を考えたとき、外国人でも島内を移動できる手段として、タクシーを利用しやすくしたい、という考え方だけで、懸念されているライドシェアについては、県議会でも意見書を採択しているので、兵庫県ではそれを踏まえて施策を進めたい。そこはご懸念の必要はないと考えている」と答えた。奥篤・兵タ協専務理事は「そこはウーバーも同じか」と質問。ウーバー側は「我われもアジアでの新しい流れ、タクシー会社との提携を進めていくという戦略を打ち出している。そこに、ひじょうに大きな可能性がある。すでに東京で、タクシー会社と提携している。それをさらに、他の地域の違うニーズに答えるようとしている」と回答。奥専務は「タクシーがダメなら自家用となるのか」と質問。ウーバー側は「(日本では)そもそも自家用ではできない。むしろ、我われの強みである、海外にお客さんが多数いるということとニーズが合うのではないか」と答えた。

信原副会長は「ライドシェアはタクシーよりも料金が低く設定されているが、タクシーでのウーバー配車となると、料金はどうなるのか」と質問。高野室長は「その辺までは検討ができていない。ただ、ライドシェアの安い料金をあてはめるのは、非現実的だろうと考えている。今のタクシー運賃をベースに相談したい」と回答。信原副会長は「安い料金になると、白タクが発生する可能性がでてくる。そこを行政として監督してほしい」と要望。高野室長は「今、白タク・ライドシェアは一切、考えていない。ウーバーの活用で外国人の利便性を高めるということだけが狙い。競合で白タクがでてくることは想定していない。今、ライドシェアは、自治体かNPOが運営主体になる場合のみ可能だが、兵庫県はそのような立ち位置にない」と回答。それに対し、信原副会長は「それが潜ってしまったらどう対策を考えるのか」と反論。ウーバー側は「ドライバーの中にウーバーアプリを使ってお金を稼ごうという人がいたら、我われのシステムに登録し、それが承認されないと、そのドライバーはシステムをオンにできない。そのために会社と契約を交わし、会社が申請したドライバーのみを承認するので、一人歩きする可能性はない。東京でも『ウーバーをやりたい』というドライバーから毎日のように連絡があるが、会社と契約しないとできない」と断言した。

対応可能な範囲について「淡路島でウーバーアプリが始まった場合、呼べる距離を設定するなど、淡路島内からしか利用できないシステムを設定することができる。淡路島でアプリを開いたときのみ、クルマの位置が見えて呼べる。例えば、関空から呼ぶことはできないが、大阪のタクシー会社と契約した場合には、そこの会社のクルマは呼べるようになる」と説明。大阪進出については「可能性はゼロではない。これだけ潜在的な需要があるのだから、大阪だけでなく、京都、神戸でも多数いるので、今後検討したい」との考えを示した。

今後のスケジュール感について、高野室長は「これからウーバーと調整する素案を説明したい」として、県民局が作成した「淡路島内タクシーへのウーバーシステムの導入検討について」と題したペーパーを説明。導入車両数について「まだウーバーと調整できていないので、どれだけ確保できるかを含め検討したい。ただ、スマホを開けば呼べるというシステムにこたえるため、できるだけ多数の車両にウーバーに対応できるようにしたい。島内に百両のタクシーがあるが、予算の範囲内で、できるだけ多数のタクシーに装備できるよう協力してほしい。タブレット、スマホなどの端末導入費用について、県で支援できるよう調整する。コスト負担は皆さんにかからないように調整する。合意ができれば、できるだけ早い時期に導入したい。来年度の施策だから来年4月以降ということではなく、今年度内に予算の捻出ができれば、その範囲内で、まずは来年1月頃からでも、『ウーバータクシー淡路』のようなものが作りだせるのではないか。あくまでもタクシーのウーバーというアピールをしていく。それに付随して、来年度予算も確保して、実証実験を年度末から半年、あるいは1年行う。その上で、本格導入するかどうかを平成31年度に検討する。その費用負担については、皆さんと相談していく」との考えを示した。

ウーバー側は、淡路島での配車方法について「今、東京でのウーバータクシーは、基本的にメーター運賃になる。運送が完了した段階で、メーター運賃をドライバーが入力して完了する仕組みになっている。ウーバーハイヤーはタクシーよりも2、3割高い料金設定になっており、これは自動的にウーバーのシステムが計算する仕組みになっている。他にも、いろいろなやり方があるが、そこは相談させていただきたい」と明言を避けた。ただ、「淡路での導入を考えているのは、東京のウーバータクシーと同じように、空車のときだけドライバーにオンラインにしてもらい、ウーバーからオーダーが入ったらメーターを回していただき、そこから一部手数料をいただく。具体的な数字は検討していない。東京は迎車料金があるので、そこでうまくバランスが取れるような手数料になっている。淡路島では手動で入力するか、メーターと同じ金額になるよう自動設定する検討したい」「我われが目指すのは、既存の収入から手数料をいただくのではなく、ウーバーシステムの利用で売り上げが何割か上がる。その上がった分の一部を手数料でいただくというモデルだ。タクシー会社にとって損になるなら、やる意味がなく、持続可能にならない。その辺がうまく解決できるようにお互い接近したい」と説明。また、「淡路島での旅行業は、今の登録でできると認識しており、我われが旅行会社として、タクシー会社に手配旅行として委託する形になる」とした。ダイナミックプライシングについては「基本的には密度の高い地域でないと機能しない。雨が降ったから東京全体が何倍の料金になるというわけではなく、かなり細かいエリアで何点何倍、横のエリアは何点何倍という形で利用される。そのためには、需要と供給の数がないとデータが取れない。淡路島の人口密度を考えると、たぶんその仕組みはオンにしないだろう」と予測した。

高野室長はプロモーションの必要性を強調し、「観光戦略を今、作っているが、ウーバーを入れたからといって、インバウンドが来るわけでもない。当然、プロモーションしていかねばならない。例えば、何時間の周遊コースを皆さんと相談してつくり、移動はウーバータクシーで、というプロモーションを旅行会社やSNSなど、いろいろなチャンネルで発信し、知名度があるウーバーで安心して島内移動ができるということをアピールしていきたい」と抱負を語った。また、多言語で会話ができるようにドライバー研修等が必要との指摘に「ウーバーは話せなくても入力すれば対応できるシステム。話せるに越したことはないが、その面でもウーバーはメリットがある」と否定。ウーバー側もこれに呼応して、「東京でも外国語を話せないドライバーは多いが、利用者の3、4割は外国人。なぜうまくいっているかというと、行き先を中国語やブラジル語で入力しても、ドライバーの画面には日本語で出て、行き先確認が不要になる。支払いもクレジット自動引き落としなので、基本的に『ハロー』と『サンキュー』が話せれば対応できる設計になっている」と言語対応は不要とした。

最後に、信原副会長は「賠償金が発生するような被害がでないとも限らない。行政側もそうなったときにどうするか対応を考えてほしい」と要望し、高野室長は了承した。