大阪・さくらタクシーグループ、日本交通に株式譲渡
川鍋・東タ協会長の日交、関西で510両規模の大手に
運転者らは平静に受け止め、当日も安全運転励行

2016年3月31日

【大阪】日本交通(本社=東京都千代田区、知識賢治社長)は3月30日付で、さくらタクシー(本社=大阪市福島区、泉成行社長)及び同グループ会社の全発行済株式を取得した。これにより、大阪府内では、日本交通の既存グループ会社2社と合わせて510両体制となった。

商号変更はせず、「さくらタクシー」のまま営業を続ける。

日本交通では「このたび、さくらタクシーの株式取得を機に、東京に次ぐ市場規模である大阪で本格的な事業展開を行うこととなった。創業88年の東京最大手の日本交通と、創業64年の大阪で高いサービスレベルで地元の評価を得ているさくらタクシーが一体化することで、大阪の皆様により快適な移動空間を体感していただくとともに、タクシー業界全体のさらなる発展にもつなげていく」とコメント。

今回のさくらタクシーグループの全株式取得で、日本交通グループ全体のタクシー保有車両数は4461両(2016年3月末時点、FC含む)となった。

■さくらタクシー株式会社の概要
商号    さくらタクシー株式会社
本店所在地 大阪市福島区
設立    1951年12月
保有車両数 タクシー388両、ハイヤー13両、計401両(グループ7社計)
従業員数  約700人

■代表者の変更(3月30日付)
代表取締役 林紀孝  代表取締役 金田隆司


当日、運転者らを集め社内で説明会

【大阪】さくらタクシーの関係者の話によると、大阪市福島区の本社営業所では3月30日朝、運転者を集め、事前に収録しされた泉成行社長のDVD映像が流され、その中で、日本交通に全株式譲渡に至る経緯や今後についてなどが語られた。また、出勤してきた全社員に「夕食代」として1万円が手渡されたもようだ。

同社は、他社に先駆け、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語に対応する多言語翻訳サービス機能を全車に搭載。1985年(昭和60年)、日本で最初に自動車電話をタクシーに運用開始。1986年(昭和61年)5月、天皇陛下滞在中、安全確保のためリーガロイヤルホテルより独占入構を指定され、11月には日本で最初に自動車用FAXをタクシーに運用開始。1992年(平成4年)、世界初のGPS・地図マッチングによる自動車ロケーションシステムを運用開始。1995年(平成7年),APECアメリカ代表団の送迎を担当。2000年(平成12年)、日本で最初に全車にカーナビゲーションを搭載した配車システムを運用開始。2006年(平成18年)、デジタル無線+カーナビ連動による配車システムを運用開始・ナビ設定番号打ち出しサービス開始。2007年9月10日、 『25年間行政当局受理苦情ゼロ』を達成。2010年(平成22年)、大阪市内数ヵ所のホテルと病院に「さくらタクシー専用のりば」を順次開設。2013年(平成25年)2月に全車に第4世代無線配車システムを導入・運用開始。4月にグランフロント大阪に「さくらタクシー専用のりば」を開設――など、業界に先駆けた事業に意欲的に取り組んできた。