大タ協で9月 伝家の宝刀 特別委員会発足へ
坂本氏 適正化対応 古知氏 活性化対応
市域の特定地域指定睨み 構成員選定

2015年8月11日付・第340号

【大阪】(一社)大阪タクシー協会の三野文男会長は8月3日、本紙の取材に応じ、特定地域指定後の見通しとして、昨年7月の会長就任記者会見で自らが創設に言及した坂本栄二副会長を委員長とする適正化特別委員会と古知愛一郎副会長を委員長とする活性化特別委員会について説明した。三野会長の発言趣旨はつぎの通り。

第4回大阪市域交通圏タクシー準特定地域協議会で、多数決により特定地域指定への同意が図られた。坂本氏と古知氏には、その使命を果たしていただきたいと要請した。現在、2人ともに構想を温めているのではないか。適正化・活性化では、彼ら2人が中心となり、それぞれの担当分野について、正副会長会議(五役会)に提案し、執行部としての考えをまとめていく。

そういうことで、適正化特別委員会と活性化特別委員会は現在、準備段階にあり、委員の構成も含めて、議論を行っている。委員構成は道半ばにあるが、具体的には理事会の承認が必要なので、9月の理事会で了承されるよう、人選を進めたい。8月は理事会は開かないが、五役会の開催を予定しているので、そこで議論することになる。

改正タクシー特措法が昨年1月に施行され、1年余りが経過してから29地域の特定地域指定候補が公表された。私は法施行当初に想定されていたことが変わったというような点はないと思うが、委員になられる皆さんはどう思われるのか、9月理事会で各委員会構成が承認された後、メンバー間でその点も含めて論議してほしいと思っている。

改正タクシー特措法は、読めば読むほど、供給過剰を是正することが目的であり、法の趣旨に基づき、皆さんの理解を得てやっていくには、我われが汗をかかなければと思うようになった。公聴会が開催されることになったが、今となっては指定を見越し、さらに一歩、踏み込んだ認識の下で論議を進めないといけない。

ウーバーやリフトが進めようとしているライドシェアは、いわゆるクリームスキミングの類だと思っている。それらを私は許さない。公共交通事業は、上辺だけでなく、深いものがある。その深い部分に責任を持った輸送サービスを行うことが大事だ。

そのことを世間にアピールしていかないといけない。福祉輸送や妊婦さんの輸送サービス、過疎地のデマンドタクシー、便利サービスをはじめ、『タクシーが果たさねばならないことを、タクシー事業者が分担し合ってやっていますよ』とアピールすることが、ライドシェアなど新たな外敵から業界を守ることにつながると思っている。(談)