大タ協第39回理事会
白タク行為を断固阻止する緊急決議 全会一致
三野会長 新経済連盟の動き注視に力点
2015年7月21日付・第338号
【大阪】(一社)大阪タクシー協会(三野文男会長)は7月17日、大阪市中央区の「大阪堺筋ビル」大タ協会議室で第39回理事会を開いた。全タク連、近畿ハイヤー・タクシー協議会で議決した「国民の生活を脅かし、地域公共交通の存続を危うくする白タク行為を断固阻止する緊急決議」を挙手による全会一致で採択した。
三野会長は第39回大タ協理事会冒頭あいさつで、「台風11号は四国、中国地方を横断して日本海に抜けたが、私どもタクシー事業の基盤である道路運送法をなぎ倒し、長年の努力で築き上げてきたわが業界を席巻しようとしている、超大型の大資本勢力が覆いかぶさろうとしている。自然災害から命を守るためには避難も大事だが、我が業界を守るためには全事業者が一丸となって立ち向かわなければならない」と新経済連盟(代表理事=三木谷浩史・楽天会長兼社長)が政府・自民党各部局で実現を要請しているシェアリングエコノミー成長戦略のうち、タクシーに係る道路運送法を改悪して白タク・ライドシェア導入を目指していることに危機感を示すとともに反対していく考えを表明し、賛同を求めた。
2月の福岡における米国ウーバーによるライドシェア「社会実験」を端緒とする一連の白タク合法化の動きの中、反対運動を展開してきたとして、「5月26日の自民党ハイヤー・タクシー議員連盟総会で70人の国会議員が出席する中、全タク連の富田会長が白タク合法化の動きを報告。その上で、6月11日の自民タク議連役員会には国交省も出席し、新経済連盟の動きを徹底論議。6月25日の民主党タクシー政策議員連盟総会に全タク連、連合系労働団体、国交省が出席して事の重大性を認識していただいた」とした。また全タク連の富田会長がこの動きを喫緊の課題と位置付け「道路運送法改悪は来年の通常国会で行われる」との見通しを示し、「併せて各地で国家戦略特区を使ったゲリラ戦も展開される」と述べ、来年1年がこの問題の剣が峰として理解を求めたことも併せて報告した。
北新地や南地堺筋等で実施している街頭指導について「指導時間を延長して実施するとのことだが、これも地域公共交通機関としての公共性の確保と業界内秩序の確保のために事業者が連携して協力する取り組みなので、感謝する」と表明した。
このほか、足立堅治・専務理事が体調不良のため退任の申し出があったことを明らかにし、「後任体制が早急に整わないため、本人の健康と家族の心労を考慮し、前例にはないが、専務理事でありながら非常勤を認めることにした。不足な点は他の2人の常務理事がフォローする」と理解を求めた。