大阪タク交通共済協組理事長5選
藤原悟朗氏が記者会見で抱負
後継者の育成 2年間でやり遂げる
2015年7月11日付・第337号
【大阪】大阪タクシー交通共済協同組合第31回通常総会の任期満了に伴う役員改選と途中開催された理事会で理事長5選を果たした藤原悟朗・駒姫タクシー会長は7月1日、大阪市内で記者会見を開き、後継者育成に向けた抱負を語った。
この6月、同協組には新たに3社(ファミリア交通、ドリーム&トラスト・ジャパン、観光夢めぐり)が加盟した。
藤原理事長は5選を果たした心境について、「いつになったら卒業できるか、と思いながら、皆さんのご推挙を得てやることになった。しんどいが、共済創設時から携わっているので、最後までやり遂げなければいけないかな、という思いでお受けした」と述べた。
その上で、今後の任期2年でやるべきことについて、「相談員体制の確立をキチンとしたい。若い人たちが引き継いでくれると口では言っているが、なかなか行動が伴わないので困ったな、と思っているというのが実情だ。誰でもやる気があればできる。ただ、一所懸命やって報われるという仕事ではないので、なかなか若い人も踏ん切りがつかないだろうな、というように思っている」との考えを示す一方、「けれども、この2年間でやり遂げるので、見ていてほしい」とキッパリと語り、自信のほどをのぞかせた。記者団からの質疑応答はつぎの通り。
後継者の育成については「弁護士の利用の仕方について、型にはまったような形で教えていこうかな、と思っている。事務局担当者がしっかりしてきたので、彼を中心にした相談体制が構築できれば、と考えている」として、「最近入ってきた若い弁護士と事務局担当者が連携してやっていければ、と思っている。それから、若い弁護士を常駐させてもいいかな、と思っている」との個人的見解を示し、「これらのことについては、正副理事長間でじっくりと検討していく」とした。
また「3副理事長が3期目になるので『私が代わりにやります』という人が出てきてくれれば、と思うが、難しいのかな」とも述べた。
弁護士常駐案については「今、弁護士が過剰となっている状況なので、可能と思うが、交通事故に造詣のある人でなければいけない。いちばんいいのは、親子で弁護士をやっているところではないのか。子供の弁護士が常駐している間、親が事務所を守ればいいのだから…。しかし、弁護士よりも実務担当者の方が能力が高い場合が多い」として、後継者育成に若手弁護士の育成も含めて進めたい考えを示した。
また弁護士への対応については「まず、私が訴状を読み、『落とし所はこの辺』と思い、弁護士を選任して渡している。しかし、同じ訴訟案件を扱ってもらっても、能力の差で、天と地の差が出る。例えば、和解で大丈夫と持ってきた案件でも、本訴で膨大な金額が俎上に乗ってくるケースもある」として、年間約4000件の事故を扱うことのむずかしさをうかがわせた。
後継者がなかなか出て来ないことについて、「苦労があって、なかなか利得がない仕事なので、そこは仕方がないと思っている。私は、いちいち弁明はしないが、『何で、あの弁護士を選任したのか』という陰口はたくさん聞く」との見方を示した。
また若手を対象にした勉強会を開いていることについて、「まず自分の会社の渉外担当者を、完全掌握して自分のところで起きた事故を処理する。それから、というのがスタンスにある。だから、自分の会社の実務担当者を、いかにうまく使えるか。そのための勉強をしてくれれば、と思っている。やる気があるから、若いからのみこみは早い」との思いを語った。
藤原理事長は、機会あるごとに「自分の会社の事故処理状況をキチンと把握するように」「実務担当者の報告を聞くように」と組合員事業者らに訴え続けてきた。藤原氏は「相談会で『この件は社長に報告しているのか』と聞くが、『聞いてくれません』『放ったらかしです』という答えが返ってくる」との現状を語り、その対策として「私はどのような報告書で、どのような処理をすればいいのか、マニュアルを事務局と相談してつくっている」と工夫を凝らすが、本当に書類に目を通しているのか、と疑いたくなるようなケースもあるという。
その上で、後継選定については、一定の要件を満たしていることを前提に、「その人のやる気次第だ」と語気を強めた。