侃侃諤諤の論議は特定地域に指定されてから
小型車から中型車、大型車まで運賃を1本化
少なくとも、私が持つ票は特定地域に投じる
2015年4月1日付・第328号
【大阪】大タ協理事 坂本篤紀 日本城タクシー社長は賛否両論の大阪市域特定地域化を巡る論争に触れ3月下旬、「特定地域に指定されてから論議を戦わすべき」との考えを表明した。発言要旨はつぎの通り。
小型車から大型車まで運賃を1本化したらどうか。個人タクシーにも賛同を得やすいし、現在小型車や中型車で上限運賃の事業者は値上げしやすくなる。そうなると、他社が安くてもウチには関係ない、ということろが出てくる。タクシーは本来、運賃で競うものではないから、幅で決めたらどうかと思う。上下幅が20円では安いというのなら、小型車から大型車まで運賃を1本化したらモメなくてすむのではないか。
特定地域指定か否かに関する論議では、協会内の準特定派も特定派も自由化連合とは闘わなければならない。「特定地域に指定されると大手事業者に有利になる」と小規模事業者は信じているので、なかなか動かない。しかし、現在の準特定地域から自由化になってしまったら、どこも損する。今は分割で何両かを譲渡譲受できるが、その根拠となる営業権もなくなってしまう。
特定地域に賛同する事業者は一般マスコミが集まったときには、「町にはタクシーが溢れ、運転者は寝ずに走り、関越道でツアーバスが事故を起こしたときと同じ道を辿ることになる」と絶えず強調していく必要がある。
4月27日の第3回大阪市域タクシー準特定地域協議会に非大タ協が大挙詰めかけ、会場を締めだされたらアカンから、当方側が事業者を集めて、彼らが入れないぐらいの数で先に席を占拠してしまったらいい。先の第35回大タ協理事会はそうしなければならなかった。準特定地域か特定地域かはその後の話。まずは自由化連合を阻止しなければならない。
「預かり休車」の導入という意見もあるが、それは自由化に道を切り開くことになる。「タクシーの出し入れは自由」とするのではなく、安全を担保するため、一定時間以上、運転者が働いたらいけないとするルールを設定することが先決だ。夜も寝ないで走るタクシーが歩行者をはねてしまったら、たまったものではない。その結果が、貸切バスでは安曇野観光であったりする。その二の前を踏まないためにも営業時間には制限を付ける。減車して制限時間内で運転者を回すのもよい。制限時間が守られているか否かを見張る回数も減る。いまさら2割減車していない事業者に対し「減車しなさい」と言う方が難しいし、現実問題としてできないだろう。
事業者枠で過半数が取れるかどうかは分からないが、少なくとも私が持っている票は特定地域に投じられる。1年後に来る10%への消費増税に備えるなら、小型車から大型車まで運賃を1本化することだ。そうすれば、値上げでモメる必要がなくなる。そのように事業者全員が「納得できないが我慢できる」範囲が落としどころではないのか。(談)