第一交通グループが全国58県市区町で展開
ママサポートタクシー車内で無事出産(枚方)
関係者「こんなおめでたい出来事は初めて」

2014年11月1日付ファクス速報

【大阪】第一交通産業グループでは11月1日から静岡県熱海市において、妊娠中・子育て中(3歳未満)の女性を対象に「ママサポートタクシー」サービスを開始した。

同グループでは、厚生労働省が推進する「妊産婦にやさしい環境づくり」の中で、公共交通機関として携われる「妊婦・出産に関する安全性と快適さの確保」にタクシー送迎サービスを提供。ユニバーサルサービスを目指し、利用者利便の向上など地域に貢献に取り組んでいる。

ママサポートタクシー運用エリアは、平成25年8月1日の北九州市と下関市からのスタートを皮切りに、全国で58県市区町に及ぶ。このほかにも、沖縄県では妊婦・乳幼児1割引サービス、滋賀県では協会等で共同運行している「ゆりかごタクシー」に参加している。

昨年12月1日に運用開始した枚方市で、ママサポートタクシー車内で元気な男の子が産まれるというおめでたいエピソードがあった。

枚方市内に住むママサポート会員の女性は出産予定日の10月22日、出産準備のため同じ市内にある病院へと向かうため、枚方・第一交通に電話を入れた。救急車を呼ぶよりも、タクシーの方が早く目的の病院に行けると判断したからだそうだ。

オペレーターは、この日が予定日であることから、あらかじめ目的地である病院にママサポートタクシーで向かうことを連絡。万が一に備え、担当医に準備をしてもらった。

しかし、タクシーがこの女性を乗せ病院へと動き出した途中で産気づき、訓練と講習を受けている運転者の今村厳さん(61)が車を路肩に止め、携帯で病院に連絡、担当医の指示を受けて対応した。ママサポートタクシーには防水シート、タオル、手袋が備えてある。今村さんは冷静に医師の指示通りに行動し、午前9時すぎに無地出産。母子とも健康を保ち、そのタクシーで病院へと向かった。女性も第二子の出産のため、落ち着いて対処していたという。

今村氏は「教育を受けておいてよかった」とおめでたい出来事を振り返った。同社の工合田修身社長は「適切な処置ができてよかった」を笑顔で話した。