京タ協 次期会長は安居早苗氏に内定
勇退の牧村氏「女房役」にバトンタッチ
MK下限割れ 深夜割増廃止等 難問山積 どう捌く

2014年6月2日付・第298号

【京都】(社)京都乗用自動車協会時代から長年、会長を務めてきた(一社)京都府タクシー協会の牧村史朗氏(帝産京都自動車特別顧問)が京タ協通常総会を最後に勇退するため5月30日、京都市伏見区の「京都自動車会館」で開かれた第2回役員選考会議で、多数の意見通り、次期会長は安居早苗副会長(比叡山観光タクシー社長)に内定した。通常総会で次期理事の承認を得たうえで、第1回理事会において会長に選任される見通し。

安居氏は「タクシー王」と呼ばれた故・多田清氏が社長を務める相互タクシー(本社=大阪市城東区)の取締役として多田氏を補佐。多田氏とは同郷(福井)ということもあり、話の合うところもあったのだろう。その後、京都で比叡山観光タクシー社長となり現在に続く。

京都の法人業界が四分五裂していた当時は、京都旅客自動車協会会長だった宮田吉三氏(元・伏見タクシー社長)の後継を務め、私鉄系会社を含む、中小36社をまとめた。

2008年8月、艱難辛苦の末、MKの会費不払い問題を端に4団体に分裂していた京都業界はようやく統一し、新生・京乗協で副会長に就任。その後約6年にわたり影になり、日向になり牧村体制を支えてきた。

一方、今期限りで勇退する牧村史朗氏は1957年、関西大学を卒業と同時に帝産京都自動車の前身・帝産オートに入社。同社常務に就任した1975年から京乗協理事を務め、1991年に副会長に就任。1998年に京乗協会長に就任した。

当時の京乗協はMK、北港梅田グループ、帝産京都自動車、八光自動車(現・八光第一交通)などが中心事業者で総車両数は他の3団体と拮抗しており、「社団格を持つだけのMK協会」などと揶揄された時期もあったが牧村氏は歯を食いしばり、じっと耐え抜いた。

その甲斐もあり、業界は再統一され「まとまり」、問題は燻ぶるものの17年ぶりに運賃改定も実施された。「雨降って地固まる」のには安居・次期会長の双肩にかかる。

牧村氏は、理事時代から40年の足跡を残し、晴れやかに勇退する。