MK 公定幅下限割れ 届け出か
朝日新聞、「裁判も辞さない」方針伝える
マスコミ味方に 怒り覚える関係者

2014年3月24日付・第290号

【全国】『朝日新聞』3月21日付・朝刊で、「大阪・神戸 初乗り運賃/MKタクシー規制より安くします/新制度に反発、処分も覚悟」を見出しとする記事が掲載された。

それによると、青木義明氏(創業者・青木定雄氏の三男)が社長を務める大阪MKと神戸MKは、4月1日実施に向け公示されている公定幅運賃下限を下回る運賃で届け出るとしている。大阪MKは初乗り2km580円に消費増税分を上乗せした600円、神戸MKは初乗り1.8km550円に消費増税分を上乗せした570円になる。

朝日が報道したのは義明氏が社長を務める大阪と神戸のMKだが、今やMKグループ総帥の青木信明氏が社長を務める、本家とも言うべき京都のMKも小型初乗り1.7km570円、中型同580円で届け出られるとの見方がでている。

下限割れであっても消費増税分を加えた新運賃の届け出があった場合は複数回の指導、勧告、運賃変更命令が行われるが、変更命令に従わない場合は事業許可の取り消しに至る。

ただ、大阪MKと神戸MKは変更命令から事業許可取り消しに変わる瞬間まで、公定幅運賃「下限割れ」で実際に運行を続けるかどうかは成り行きしだいとなりそうだ。

3月20日行われた近運局自動車交通部長定例会見で、阿部竜矢部長は、記者団の公定幅運賃の下限を下回る届け出があり、実際に4月1日以降運行された場合の対応として、複数回の指導から運賃変更命令を下すまで「さほどの時間はかからない」との認識を示した。

また西川孝秀・旅客第二課長は「法律上は届け出は、どれがどのような運賃であっても受け取らなければならない。その上で、指導・勧告へと順序を踏むことになる」と説明した。

神戸MKの青木義明社長は、先の神戸交通圏など合同準特定地域協議会で示された公定幅運賃(案)に対し、意見を述べず、公定幅運賃に合意したものと見なされていた。

4月1日は運輸局の大型人事異動の時期で、西川課長も異動する。運輸局の機能が引継業務などで一時的に低下する時期でもあり、新たな「下限割れ」にどこまで適宜適切な対応ができるか疑問視する向きもある。

青木信明氏(青木定雄氏の長男)が社長を務める京都MKは届け出受け付け期限ギリギリの月末までに公定幅下限割れの初乗り1・7km小型570円・中型580円で届け出をし、大阪・神戸と同様の対応をする可能性が高いとの見方も出ている。

本紙表紙の各記事で触れたように、これら数字には根拠があり、昨年の「協会執行部の配慮」により運賃改定申請を行った時の数字が1・7km小型550円・中型560円。これに4月1日実施の消費増税分を加算した数字に過ぎないことが分かる。

また名古屋MKは昨年12月、中部運輸局の査定に従い、値上げしたばかり。現在申請中の深夜早朝割増を2割増しから1割増しに割増率を減らす申請をしており、利用者に対して「消費増税対応はしない」と告知していた。問題は、これらの運賃はいつまで続くかだ。