深夜は割増廃止タクと運転代行の市場へ
京タ協はこのまま無批判でいいのか?
京都発 深夜早朝2割増廃止拡大の動きに警鐘を
2014年3月3日付・第288号
【京都】京都では、運賃改定と消費増税による公定幅運賃の実施で利用者離れが起こると主張する、エムケイなど現在の低額運賃事業者に引っ張られる格好で、最大手事業者もやむなく実施する構えだ。
深夜早朝割増料金問題は京都に留まらず、各地に飛び火する勢いで、名古屋エムケイは深夜早朝割増料金を現在の2割増から1割増に減らす申請を出した。国交省は今月中旬、深夜早朝割増廃止に関する通達を発出する予定だが、どこまで過度な運賃競争が是正できるのか。
また、同通達では賃金大台帳、等深夜割増賃金が運転者に適正支払われているかどうかを見ると厳格化を強調しているが、一方で、現在実施中の深夜早朝割増廃止運賃は問わないとしており、既得権発生の問題とともに、実効性の発揮には程遠いとの指摘もある。
現在、京都市域交通圏で深夜早朝2割増を廃止して営業しているのは洛東タクシー、ホテルハイヤー、関西タクシー、高速タクシー、興進タクシー、比叡タクシーの6社。この中には恒久認可と期間限定認可が混在する。
一方、4月1日の公定幅運賃実施を控え、京都特有の運賃改定+消費増税3%上乗せで、乗り控えが厳しくなると見たエムケイなど大手事業者が新たに深夜早朝2割増の廃止申請に踏み切った。
京都業界で最初に提出を試みたのはエムケイと言われているが、エムケイは京都の運賃改定申請を取り下げた経緯から行政は同調事業者認可後に受理すると説明。同調申請し、運賃改定認可を受けた都タクシー、西都交通、都大路タクシーなどの都タクシーグループに先を越された。
その後、運賃改定認可組のキャビックが深夜早朝2割増の廃止を申請。行政は取り下げ中のエムケイ、運賃改定に同調したアオイタクシー、ギオンタクシーの深夜早朝2割増廃止申請を受け付けた。
タクシー新法が施行されて2月に入り、行政の原理原則は形骸化したのでは、と揶揄する向きも出ている。最大手のヤサカグループが加われば、京都市域タクシー車両の約7割が深夜割増を廃止することとなる。