大阪準特定地域協 挙手多数で安部教授が会長
公定幅運賃 意見割れ 両論併記で意見書
2014年2月10日付・第285号
【大阪】第1回大阪府タクシー準特定地域合同協議会が2月5日、大阪市中央区の「大阪合同庁舎4号館」で開かれた。
要綱の審議では、大阪府警本部から質問があり、これを受け要綱案を一部修正。低運賃事業者から異議はあったものの会長に安部誠治・関西大学社会安全学部教授を選出。
第1回大阪府タクシー準特定地域合同協議会が2月5日、大阪市中央区の「大阪合同庁舎4号館」で開かれた。要綱の審議では、大阪府警本部から質問があり、これを受け要綱案を一部修正。低運賃事業者から異議はあったものの会長に安部誠治・関西大学社会安全学部教授を選出。安部会長は要綱に則り会長代理に吉備敏裕・大阪府都市整備部交通道路室都市交通課長を指名したが、吉備氏は「行政が代理を務めるのは厳しい」などを理由に辞退。会長代理は次回協議会まで空席となった。事務局長には足立堅治・大阪タクシー協会専務理事が指名され、了承した。
消費増税分を加味した公定幅運賃については複数の低額運賃事業者から異論があっため、安部会長が「公定幅運賃については現状で了承する意見と幅を下方へ広げるべきとする2つの意見があり、個別申請を希望する意見があった」とする意見書を15日以内に作成し、近運局に提出することになった。近運局はこれら意見を参考にした公定幅運賃を28日に公示し、3月3日から末日まで届け出を受け付け、4月1日実施する。
予想されたこととは言え、公定幅運賃のほか会長選出でも意見が2つに分かれた。議題に従い、進行役である大タ協の足立堅治・専務理事が会長選任の件で委員に呼びかけたところ、大タ協の藤原悟朗会長が安部教授を推薦。これに対し、ワンコインドームの吉岡和仁社長が「日経新聞が報道した過去の安部氏の発言記事から、会長にはふさわしくない」と異議を唱えたところから、大タ協非加盟の低額運賃事業者やワンコインタクシー協会傘下事業者と安部教授を推す労働団体代表者との間で意見の応酬があった。
町野勝康・ワンコイン協会代表理事の低運賃タクシーに事故が多いとマスコミに語ったとする主張に具体性がなかったことから、安部教授が「吉岡氏の発言には覚えがあるが、町野氏の発言には根拠がない」として撤回を求め、町野氏は撤回した。自交総連大阪地連の庭和田裕之書記長が「決を採ってほしい」と動議を提案。これを受け、会長選出を当日決めることに出席委員51人中32人が賛成した。
また浦木山峰壽・壽タクシー社長が町野氏を会長に推薦したが、町野氏は時間がないことや減車・値上げを説得して回ることはできないなどとして推薦を辞退。安部氏の会長就任を賛成多数で了承した。