大阪市地交会議が再開 採決なら各委員はどう判断するのか?

2021年1月22日・第508/213号

大阪市地域公共交通会議が2月12日、再開される。本来は1月15日に再開される予定だったが、大阪府が緊急事態宣言下となったことで、延期を余儀なくされた。

仮にコロナ感染が縮小されず、緊急事態宣言が延長されれば、公共交通会議も延長となる可能性は残るが、問題は時間の関係で強行採決される可能性があるということだ。

昨年12月22日行われた第1回大阪市地域公共交通会議では、議長を務める内田会長が次回会合を視野に、十分な論議を尽くすことに触れながらも「場合によっては決をとる」ことを表明。あらかじめ誰に委任するかなど、採決を想定した準備をするよう促していた。

こうした中、委員に委嘱されている坂本篤紀・大タ協副会長は年初の理事会で「民間事業者という元大阪市交通局、大阪市立大学の議長、大阪市の提案というアウェーな状況の中で、正しい判断をしてもらえるのか」と疑問を呈し、反対する立場を明確にした。

この間、大阪メトロが民泊事業用に購入したマンションを「損切り」する格好で売却したという報道があった。坂本副会長は「だから、AIオンデマンド交通社会実験における採算の見通しが示せないのでないか」として、複数の委員から出された採算性に関する質問に正面から答えられなかった問題点は「企業体質」にあると指摘した。

大阪市地域公共交通会議はコロナ感染の縮小傾向が確認されれば再開されるはずだ。採決になるなら、それぞれの委員がどのような判断をするのか見極めたい。

<山田>

写真:2020年12月22日、大阪市役所で開催された令和2年度第1回大阪市地域公共交通会議