大手はポストコロナを睨み時代に即した人材募集を始める

2021年3月1日・第512/217号

先日、沖縄で取材があり、往復ともANAを利用したが、10都府県が緊急事態宣言中ということもあり、定員300人近くのボーイング787型機は3割程度の利用で空席ばかりが目立った。

3月1日からは岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の6府県が解除された。この間、記者は新幹線で京都~広島を往復したが、どの車両もガラガラ。約100人が定員の車両には20人程度。乗車率は2割の「低空飛行」を続けていた。一編成16両で60億円とされる新型車両も利用したことがあるが、こちらは東京に到着するまで5人程度。なんと乗車率は5%を行ったり来たりという状況だったのだ。

旅客運送業界で厳しい状況が続く中、全タク連会長会社の日本交通が両備グループのイースタンエアポートモータースとハロートーキョー(いずれも東京)を買収したというニュースが飛び込んできた。「この厳しい時期に何故?」日本交通の川鍋会長と両備ホールディングスの松田社長との長年の親交があったからできた譲渡だったという。

大手では、第一交通産業が通常採用分を含む2千人の乗務員採用計画など、新しい人材集めに乗りだし、日本交通は千人の新卒者採用を発表した。一般にポストコロナでは、業態転換など事業再構築が叫ばれているが、地域の貴重な公共交通であるハイヤー・タクシーをなくすわけにはいかない。むしろ、時代に即し、どう守り発展させていくかが、今後の課題になるだろう。

<山田>

写真:イースタンエアポートモータースのハイヤー車両