自家用有償の対価1/2撤廃 公共で白タク是認の恐れも

2020年10月21日・第501/206号

国交省は先の通常国会で成立、6月3日に施行された持続可能な運送サービスを推進する地域公共交通活性化・再生法の一部改正に伴い、「地域公共交通会議に関する国交省としての考え方」等の一部改正についてパブリックコメントを公示している。

一部改正では、道路運送法施行規則等で「自家用有償旅客自動車運送事業者が利用者から収受する対価の取扱い」について、現行の「当該地域のタクシーの上限運賃の1/2の範囲内」から「地域公共交通会議等において調った協議結果に基づき、1/2を超える対価の設定ができる」ことを盛り込んでいる。

これについては、かねてから自家用有償運送を行うNPO法人等から「当該地域のタクシーの上限運賃の1/2の範囲内」とする現行制度では経費や人件費がまかなえないとし、上限撤廃の陳情が頻繁に行われていたことを受けてのものと思われる。

さらに驚くべきは、こうした「自家用有償旅客運送者が運送事業者にその運行を委託する場合に、当該運送事業者が保有する事業用自動車」を持ち込ませて運行することができると謳っている点だ。

これは、一歩運用を間違えれば、道路運送法の範囲内で、「青ナンバーを付けた」事実上の白タクの運行を認めることになりはしないか。

先の全タク連理事会で、祓川局長は菅総理を「現場を大事にする」と評価したが、それはどの現場なのか。緊急点検する必要がありそうだ。

<山田>