タク出前サービス恒久化 一方、貨客混載却下に不満の声
2020年9月11日・第497/202号
コロナ禍で需要が急減したタクシーの特例措置として認められた「タクシー出前サービス」が貨物自動車事業運送法3条を適用した許可申請を行えば、令和4年9月30日まで継続できる。
しかし、一般紙紙上では「タクシーフードデリバリーサービス恒久化」の見出しが躍る一方、継続は評価できるが不満が残ったとする事業者は多い。全国で最もコロナの影響を受けている京都業界で3選を果たした京都府タクシー協会の兼元秀和会長は「望んだ通りのものではない」と貨客混載は不可とした限定活用の延長に不満を表明した。
現在、タクシーによる貨客混載は過疎地でのみ認められており、京都のような大都市圏では既存貨物事業者との競合になることから、もともと視野には入っていない。
ただ、貨物事業者にはできないタクシーならではのサービスで貨客混載を実現させる方法はないかとする声は根強い。競合を避けて、ニッチな分野を担当するという棲み分け理論だ。新たに京タ協副会長に選任された筒井基好氏は「タクシーが支持される要素は多い」と指摘する。
飲食物は別として、「宅配便だと早くても翌日の到着となるが、今日中に届けてもらえればいい」という要望は意外と多い。例えば、一定のルートを決めオンデマンド交通を行う中で、一定の範囲で配達することはセキュリティ管理さえ徹底していれば可能なはずだ。地域の貨物事業者との提携も視野に入れたい。
<山田>