コロナ禍再拡大の中、GoToトラベル 慎重対応が必要

2020年7月21日・第493/198号

新型コロナウィルス感染症が再び拡がっている。東京は感染者数1日200人を超え、入院者数も千人になるなど、4~5月の水準を超えている。大阪にも東京と同じ傾向が見られる。これは全国的傾向で、第二波が来ていると指摘する専門家は多い。

こうした中、東京を除き、政府肝いりのGoToトラベルキャンペーンが22日からスタートする。本来、8月以降のスタートを予定していたが、観光業の景気回復等を目的に前倒しスタートとなったため、期間中に業者説明会が行われたり、直前に東京が除かれるなど混乱の幕開けであることは否めないが、タクシー業界への恩恵はあるのか。

一泊旅行予算2万円、日帰りは1万円を上限として、その半分が援助されるが、旅行業者が企画するセットプランが条件。援助額の7割が旅行代金割引、3割が地域共通クーポンとなる。地域共通クーポンは2万円の旅行の場合は3千円、1万円の旅行の場合は1500円となる。

ただし、この地域共通クーポンは登録店舗でしか使えない。タクシーも登録の対象となっており、恩恵を被るには登録しておく必要がある。

全タク連の田中副会長は福岡の会合で、「『このタクシーは地域共通クーポンが使えます』と外から分かるステッカーを貼付する必要がある」と業界側の対応に言及した。経済再開と感染防止の同時進行を実証実験する場とも言えるが、相手は見えないウィルス。慎重さが求められる。

<山田>