輸送実績徐々に回復 経済の攻めと感染防止の守り両輪で

2020年7月11日・第492/197号

このほど、福岡市タクシー協会に所属するタクシー4200両の輸送実績5月分がまとまった。

数字を見て驚くのは、総営収が前年同月比で25・3%。この数字は減少幅ではない。4分の3の収入がなくなってしまったことを意味する。

感染症拡大防止対策の一環として、休車や出勤調整などで、稼働率は同27・2%と、こちらも3分の2余りの大幅減少。稼働率を抑えたことから極端な落込みこそなかったものの、実働日車営収は2万1864円、前年同月比66・3%で、3割減となった。

経営のバロメータになる総営収の戻りが気になるところだが、6月は5~6割、7月は10日ほどの数字だが7~8割に回復してきたという。これは、あくまでも平均値なので、事業者によっては、6月から8割台になっていたところもあったもようだ。

タクシー業界は、半年かけて、ようやく前年の数字を追いかける格好になってきた。しかし、これはあくまでも今後、感染第二波が来ないと仮定しての話だ。

自民タク議連の渡辺会長は、三密を排除して行われた全タク連7月正副会長会議で、「地域経済が疲弊してしまったら、経済が成り立たなくなってしまう」として補正予算で組まれた地方創生臨時交付金の積極活用で地域に貢献するタクシーの活性化を求めた。一方で、「感染対策もひじょうに重要」としているように、攻守両輪をうまく使うときに来ていると言えそうだ。

<山田>