紛糾したと推測される あり方検討会

2015年8月1日・第339号

会議の冒頭部分だけ撮影できる「頭撮り」だけが記者に許され、肝心の会議は追い出されたので、実際に「何が起きたのか」は分からないが、中間取りまとめ案について論議された7月27日の第3回新しいタクシーのあり方検討会は、適正化の記述がないことから紛糾したもようだ。

憤りをあらわにしたのは、富田昌孝・全タク連会長。マスクを掛けて来られたので、「風邪ですか?」と聞くと、「理事長からあまりしゃべるなと言われたから」と、ヒネリの効いたジョークだな…。

富田会長のマスクは本当に口封じだったと思わせる発言だったという。「適正化なくして活性化なし」から始まり、「特定地域計画合意に必要な事業者3分の2以上の賛成はハードルが高い」と、多数苦言を呈した。

かねてから、富田会長は、「適正化がうまくいかなければ、あり方検討会で、指定基準等の見直しがある」旨の発言をしてきた。

しかし、それを「約束」していたと見られる田端局長も若林審議官も7月31日付で異動。これを見越して「田端局長には、今後うまく行くようにしてから異動してほしい」と要請していたが、当日、田端氏は欠席。やり場のない怒りが爆発したのかもしれない。

ある委員によると、中間案がメールで配信されたのは会合の2日前だったとか。その委員は「肝心の国交省がこんな姿勢では、まともな論議は期待できない」と吐き捨てた。来年1月に提出される最終取りまとめ案は、まともなものになっていてほしいものだ。

<山田>

※8月1日付・旬刊「トラポルト」第339号、旬刊「トラポルト九州」第44号「正論・対論」より/写真:7月24日、東京都千代田区の国土交通省内で開かれた第3回新しいタクシーのあり方検討会の模様