「グレーならやっちゃえ!」の危険性
2015年6月11日・第334号
連合系労働団体と全タク連はウーバー、リフトに代表される「シェアリング・エコノミー」日本上陸に伴うタクシー産業の危機をどう乗り越えるかという喫緊の課題を含め共同歩調を取り始めた。労働団体側は「労使協議会」と呼んでいる。その危機とはどのようなものか?
楽天の三木谷氏が代表理事を務める新経済連盟は4月7、8日、東京の「ホテルニューオータニ」で新経済サミット2015を開催。その中のセッション「シェアリングエコノミーの挑戦・新しい経済圏を成功させていく上での秘訣とは?」で、空き部屋を観光客に貸すネイサン・ブレチャージク・Airbnb・CTO兼共同創設者、福田峰之・自民党衆院議員・自民党IT戦略特命委員会事務局長、ジョン・ジマー・Lyft社共同創業者兼社長が登場。福田議員は「グレーならやっちゃえ!」と発言し、会場を沸かせたという。
これを受け、IT系ジャーナリストは「2016年にはグレーゾーン大賞みたいなものを作って表彰するのも面白い」と煽っている。
今や個人の移動に伴う経済効果への期待は「シェアリング」というカタカナ言葉とともに米国シリコンバレー発の新たなビジネスモデルとしてブランド化している。これに行き場を失っている投資家が飛びつかないわけがない。
グレーゾーンに食いつき、豊富な資金力を背景に道運法を変え、白タク合法化も辞さないというが、果たして安全は確保されるのか。早急に問題点を洗い出し、危険性をアピールすることが重要だ。
<山田>
※6月11日付・旬刊「トラポルト」第334号、旬刊「トラポルト九州」第39号「正論・対論」より/写真:2015年5月14日、(一社)新経済連盟の三木谷浩史・代表理事が自民党経済好循環実現委員会による経済4団体ヒアリンでプレゼンを行う。