京都で深夜送料割増廃止申請取り消しの動き
2014年12月21日・第318号
行政の審査が長引き、京都で勃発した深夜早朝割増廃止は鳴りを潜めていたが、京都相互タクシーが同申請の取り下げを行い、12月19日に認可された。
京都相互タクシーがグループ会社である京都相互タクシー自動車に全部譲渡する申請の認可に伴うものだが、深夜早朝割増廃止申請取り下げにより、標準審査期間である3カ月、ドンピシャで認可されることになった。
実はこの深夜早朝割増廃止は、すでに申請した概ね全社が6カ月の標準審査期間を過ぎているはずだが、処分の動きがないことに異議を唱えたのは都タクシーグループだけ。ここに今回の深夜早朝割増廃止申請は消極的同調だったとささやかれるユエンがある。
京都市域は、実働日車営収こそ平成13年度の水準にあるが、日車走行キロが届いていない。ましてや経営に影響する運転者数は他地域同様、年々減少し、高齢化も著しい。
しかも、この春、ようやく17年ぶりの運賃改定となったが、多くは公定幅運賃の下限に張り付き、増収率は僅かばかり。観光繁忙期が終了した年末年始を過ぎると、ようやく年間を通した実態が見えてくる。
厳しい状況の中、いかなる理由があるにせよ、京都相互の深夜早朝割増廃止申請の取り下げと認可は何かと悪夢続きだった今年、最後の朗報だ。京都の最悪の事態を回避することに必死だった塚本新二・京都相互タクシー労組委員長が病気のため12月8日亡くなった。この取り下げは端緒に過ぎないが、今後につながる朗報と受け止めたのは他ならぬ彼であろう。
<山田>
※12月21日付・旬刊「トラポルト」第318号 「正論・対論」より/写真:2014年6月4日、京都市内で元厚生労働大臣の辻泰弘氏(右)と京都の深夜早朝割増料金廃止申請の認可阻止をテーマに熱く語るありし日の塚本氏(左)