マンネリ打破で好評続く乗務員接客コンテスト

2014年10月11日・第311号

兵タ協は10月9日、神戸市中央区の「生田神社会館」で、8回目となる運転者接客コンテストを行った。

コンテストは今回も好評で、神戸・姫路の予選会の上位12人が本選会に出場するはずだったが、12位が3人いたことから、初の14人で競うことになった。

本選会は、自己紹介とタクシーの模型を使った演技の2部構成。利用者役は3年目を迎えたピッコロ劇団の皆さん。見事、今年の接遇兵庫一に輝いたのは、阪神タクシーの中尾利宏さん。同社は、昨年も最優秀賞を輩出している。そのチャンピオン氏は、なんと歌手デビューを果たし、審査の間、デビュー曲を披露した。出場者には、芸達者な逸材が揃っているのだ。

審査員6人の中に、神戸新聞社の論説委員である志賀俊彦さんがいた。志賀さんは「深夜業務になる時にはいつもタクシーを利用しているが、演技で利用者役の『何でこんなに高いネン』という苦情に『深夜料金なんです』と切り返した出場者の意外な答が最も印象に残ったと話す。「深夜料金は何故、2割増なのか」について、『神戸新聞』紙面で分かりやすく解説していただけるのでは、と期待をしよう。

清水信生・専務理事は好評の理由について「毎回マンネリにならないように工夫している」と言う。惜しくも前回予選落ちした出場者の中には「今度こそは」とリベンジする人も出てきた。しかし、毎回、ハードルは少しずつ高くなっており、「常連」出場者に油断は大敵だ。

最優秀賞を獲得した中尾さんは43歳。運転歴1年余り。タクシー運転者は、決してベテランでなくとも皆の手本になれる職業であることを証明した。雇用する会社側は、宝石のような技術を無駄にせず、生かし伝承することで彼の努力に答えねばならない。

<山田>

※10月11日付・旬刊「トラポルト」第311号「正論・対論」より/写真:10月9日に神戸市中央区の「生田神社会館」で行われた(一社)兵庫県タクシー協会主催の「第8回・乗務員接客コンテスト」本選会のもよう