乗り場問題対応に見る自治体格差

2014年8月11日・第305号

タクシーが誕生して102年が経った今年の夏、主要ターミナル駅乗り場をどうするかを、もう一つのテーマにしたところがある。

関西では、大阪タクシー協会が「タクシーの日」キャンペーンの一環として、ラジオ局・MBS番組のスポンサーとして意見を言うコーナー等で、乗り場移転問題に絡み、利用者利便向上に向け「JR大阪駅の正面にもタクシー乗り場を」と訴えた。

また京タ協では、「タクシーの日」とはリンクしなかったものの、8月下旬にJR京都駅八条口側・南口タクシー乗り場待機場に入りきれないタクシーが八条通りに滞留し、交通混雑を引き起こしている問題の解消に向け市と運輸支局が後押し。市の負担で別途駐車場を借り、ショットガン実証実験を行う。

一方、東京オリンピックを6年後に控え、町の玄関口をきれいにしようと言う動きが活発化するなか、京都駅南口タクシー乗り場待機場では、運転者のタバコの不始末から、待機場にあるごみ箱から煙が出て、一時大騒ぎになることもあった。幸い、大事には至らなかったが、観光客や市民には、マナーの低い京都の一部タクシー運転者がどう映ったか。

こうした問題はあるにしても、京都では市も乗り場問題改善に努めるが、一方、大阪では協会が奔走して乗り場確保に動かなければならず、まだまだ自治体との距離は遠い。

地域公共交通活性化再生法改正で、各運輸局は自治体との協力関係構築を声高にするが、現実として自治体間ではタクシーへの認識不足等から来る対応の違いが露呈し始めている、と言えそうだ。

<山田>

※8月11日付・旬刊「トラポルト」第305号「正論・対論」より/写真:8月5日の「タクシーの日」、大阪タクシー協会がMBS毎日放送とタイアップして「タクシーに乗ろう」を歌う女性ヂュオ・あまゆーずのミニコンサートや5000円分のタクシー乗車券がもらえるじゃんけん大会を共催。そのなかで、道野隆・広報サービス委員長が「JR大阪駅タクシー乗り場移転問題」にからみ、「利用者利便を考えると、やはり駅正面にも乗り場が必要」として、公共交通としてのタクシー乗り場の視点が重要と指摘