固唾を呑んで見守られる是正勧告の次
2014年4月28日・第294号
近畿運輸局など管内で公定幅下限割れ運賃で運行する事業者を抱える運輸局は4月25日までに、当該事業者に対し、是正勧告を行った。
下限割れの中核をなすとも言えるMKグループは、是正勧告にも「不服」として、60日車の車両停止処分を科されることになりそうだ。大阪で公定幅下限割れのワンコインドームと寿タクシーもしばらくは大阪MKと同一歩調をとると見られる。
このままいけば、事業許可取り消しにまで行きついてしまうが、問題はその直前。車両停止処分が科せられれば、不利益を被ったとして行政訴訟に打って出るのではないか。これはMKサイドも公言している。
同時に判決が確定するまで現在の運賃で運行できるよう仮処分申請をするだろうが、裁判所は果たして違法運賃なのに、仮処分を認めるのかどうか。MKの鼻息は荒いが望みは薄い、というのが大勢の見方だ。
そうなった場合、MKは一旦、公定幅運賃の範囲内に合わせ、裁判に臨むほかないが、この場合でも裁判をするのか、という疑問が湧き起こる。MKグループが現在申請している深夜早朝割増廃止や同1割引きの認可には、現在の公定幅下限割れのままでは難しい、という声は多い。
だがしかし、京都のMKは、現在の下限割れ運賃のまま、深夜早朝割増廃止が申請通り認可され、仮処分申請も認められたらどうするのか。否、そんなことあるはずがないという真っ当な声が聞こえてくる。
<山田>
※4月28日付・週刊「トラポルト」第294号「正論・対論」より/写真:MKグループは東京MKを除く札幌、名古屋、滋賀、京都、大阪、神戸、福岡の各社事業所で公定幅下限割れ運賃を届け出、適用している。写真は初乗り1.2km 520円(5・5遠割運賃適用)で運行している福岡MKの中型車運賃表示