準特定地域協議会はどこへ向かうのか
2014年2月10日・第285号
安部誠治・関西大学教授は2月5日、大阪の準特定地域合同協議会会長就任にあたり「いろいろな会合で委員長や会長をさせていただいているが、こんなに大歓迎をいただいたのは初めて」とやや皮肉を込め、議長席に登壇した。
その上で、「タクシー問題には2008年の交通政策審議会議論から関わっている。私なりの考え方や見方があるが、新法ができて、かなり権限が強化された協議会となっいる。全体の何がタクシーが良くすることになるのか。究極的にはドライバーと利用者がどうすればウィン・ウィンの関係になるのかを考える協議会にしていきたい」と述べ、出席者に協力を求めた。
低運賃事業者として出席したタックン大阪の大沼仁洪社長は「今回の法律は、ひじょうに良い方に持っていくこともできるし、悪くも持っていける」と発言し、タクシー新法の性質をある意味で言いあてた。
ならば、どの方向が良いとされるのか。前日4日行われた奈良3交通圏タクシー準特定地域協議会会長に選出された藤井聡・京都大学教授がこう語っている。
「自由、規制それ自身が善であったり悪であったり、ということはありえない。あるのは適正な自由だけが善であり、適正な規制だけが善である。自由であっても不適切であれば悪であり、規制であっても不適切であれば悪である」と。地域により構成員は異なるが、噛み合う論議が行われるかどうかが一つのポイントになりそうだ。
<山田>
※2月10日付・週刊「トラポルト」第285号「正論・対論」より/写真:2月5日、大阪市中央区の「大阪合同庁舎4号館」で開かれた大阪府タクシー準特定地域合同協議会