和歌山業界には他府県も羨むチャンス到来

2014年2月3日・第284号

1月27日、タクシー新法が施行され、全国で最初となる和歌山市域タクシー準特定地域協議会が1月30日、行われた。

そこでは、これまで会議を仕切ってきた和歌山運輸支局長は後ろに下がり、進行は事務局の和歌山県タクシー協会の専務理事が行い、その専務理事の提案で、全会一致により廣岡裕一・和歌山大学観光学部教授の会長就任が決まった。

しかし、準特定地域と特定地域との違いについてや、公定幅運賃に関する質問に対しては、運輸局でないと正確には答えられない。大半の質問に対しては、大阪から駆け付けた西川孝秀・近運局旅客第二課長が答えなければならなかった。

廣岡会長が言われたように、和歌山はJRディスティネーションキャンペーン、来年は紀の国わかやま国体の開催とイベントが目白押し。訪れた観光客に再度来たいと思われるようにしていかねばならない。

観光は県や市の資源でもある。県はキャンペーンや国体開催に合わせ、おもてなし研修を独自に行うと鼻息が荒い。そのために700万円とも言われる予算が用意されているが、3月末までに使われなければ水の泡と帰してしまうからだ。

タクシー新法では施行期間の3年間で、どれだけ活性化が進められたのかも重要なポイント。6年後の東京五輪では、そう多くの需要増は望めない。近畿の他府県が羨む千歳一隅のチャンス到来に、和歌山業界は分裂などしている暇はないはずだ。

<山田>

※2月3日付・週刊「トラポルト」第284号「正論・対論」より/写真:1月31日、和歌山市の和歌山運輸支局会議室で開かれた和歌山市域タクシー準特定協議会