タクシー新法は どんな法律なのか

2013年11月18日・第275号

タクシー新法案は今週、参議院国土交通委員会で審議され、可決後、ただちに参院本会議に回され、成立する見通しだ。

その最短の道は、11月20日と見られている。成立すれば、その2カ月後には施行となり。来年早々、新法に対応する地域協議会が設置される。

現在155地域指定されている特定地域はほぼそのまま、準特定地域に移行し、明らかな供給過剰地域は特定地域に指定される。その基準は衆院国交委員会でも質問されたが、現在検討中とのことだ。

特定地域では、新規参入と増車は禁止される。地域協議会では供給削減を定めた特定地域計画を作成し、国交大臣の認可を受ける。計画はすれど実行しない、最初から計画も作成しない事業者に対しては、営業方法の制限を命令することができる。

営業方法の制限とは、営業しない曜日を定めるなど、事実上減車を実施したことと同じになるよう制限が加えられる。個人タクシーに対しても同じ。

運賃は、特定地域と準特定地域は等しく公定幅運賃が適用され、下限割れ事業者には運賃変更命令が下される。その幅について国が諮問し、地域協議会が了承すれば公示し、事業者はその範囲で届け出る。

公定運賃幅に入らない事業者に対しては事業停止処分が下される。それでも従わなければ、最悪の場合、事業取り消し処分を科すところまでいってしまう。そうした法律が今、成立を目前にしている。

<山田>

※11月18日付・週刊「トラポルト」第275号「正論・対論」より/写真:11月5日、東京・千代田区の「自動車会館」で全国の協会長・経営委員長を召集し、タクシー新法説明会を開くにあたり、あいさつする全タク連の富田昌孝会長(手前)