ギクシャクが続く大阪業界とJR西
2013年11月11日・第274号
京都駅北口タクシー乗り場バリアフリー化と上屋付き降り場完成セレモニーが11月1日、島原太夫の祝宴の舞が披露されるおまけ付きで、京都市とJR西日本京都支社、京タ協の共催で行われた。
「タクシーを降りても雨に濡れることがなくなった」と利用者に好評だ。関係者が理解し合えば利用者が喜ぶ、典型的なケースとなった。コンシェルジェの配置も費用の点で京都市などと検討される方向だ。
今回の降り場と上屋設置にかかった費用は総額5000万円。この費用は、内訳は公表できないが前出の三者で応分に負担された。国際観光都市・京都は今でこそ年間来洛者5000万人を突破するまでになっているが、不断の努力がない限り、この数字が右肩上がりになるとは限らない。
2年後には東京~金沢間が新幹線で結ばれるし、東京~名古屋間のリニア新幹線が東京五輪開催までの開通を目指しているからだ。慢心すれば、幹線から外れる京都はたちまち一地方都市に甘んじかねない。
この危機感は、「歩くまち京都」を推進する門川大作市長が最も抱いているのだろう。完成式では自らがスピーチした。
ひるがえって大阪はどうか。表玄関であるJR大阪駅タクシー乗り場移設問題すら、JR西日本と歩調が合わないどころか大阪市も向こうに回り、業界といがみ合っている感がある。ここは京都のサービス精神を見習い、おもてなしでは負けないオール大阪の心意気を見せてほしいところだ。
<山田>
※11月11日付・週刊「トラポルト」第274号「正論・対論」より/写真:11月1日、JR京都駅北口タクシー乗り場付近のひろ場で行われた上屋付き降り場完成セレモニーであいさつする門川大作・京都市長