富田会長は新法施行で交代の考え?

2013年10月14日・第271号

富田昌孝会長は10月10日の正副会長会議冒頭、全国ハイヤー・タクシー事業者大会が開かれる今月末には法案を示せるのでは、との見通しを示した。

自民、公明、民主3党でタクシー関連3法改正骨子案の基本合意書の署名が交わされたのが6月下旬。自民タク議連の金子一義会長が経団連会館で開かれた全タク連・通常総会後の懇親会で、その書類を手に高らかに掲げて報告したのは記憶に新しい。

通常国会での新法上程は敵わなかったが、その後の参院選で与党自民党が大勝。今回は満を持しての秋の臨時国会上程となりそうだ。富田会長は、それ以前に経営委員および協会長に対して法案が説明できる状態になれば、ただちに招集をかける構えだ。

気になるのは、富田会長が10日の正副会長会議冒頭あいさつの最終部分。やや口ごもられていたが、うがった見方をすれば去就発言とも受け取れる。富田会長は故・新倉尚文・前会長の後任として6年間、再規制の実現目指し、奔走されてきた。それは会員の誰もが認める評価でもある。

しかし、仮に来年の消費増税実施までに新法が施行されたらどうなるだろうか。その先は、誰が会長を務めても、必ずしも盤石な組織運営ができるとは限らない。時代が激変する時こそ、的確かつ洞察力をもった経験豊富なリーダーが求められる。

会長の交代があるとすれば、平常時に行うべきだろう。富田会長の発言の解釈は、記者のうがち過ぎと思いたい。

<山田>

※10月14日付・週刊「トラポルト」第271号2面「正論・対論」より/写真:10月10日の全タク連正副会長会議より