監督のプレッシャーを跳ね返す心

2013年10月7日・第270号

兵タ協は10月2日、神戸市内でタクシー乗務員接客コンテスト本選会を開いた。

今回で7回目の同コンテストは昨年、マンネリ打破の意味合いもあり、審査方法を変えた。ロールプレイングに車椅子を持ち込み、扱いは審査に入れないが、高齢者や障害者にどう接するかという観点を新たに取り入れたのだ。

その役を務めたのは、兵庫県立ピッコロ劇団の男女団員3人。それぞれが個性あふれる「役」に徹するあまり、会場からは時々、笑いが沸き起こった。記者は、この光景を見て「コンテストを半ばショ―化することでマンネリ打破を図ろうとしている」と、うがちたくなるほどのものだった。

ことしは、その昨年にもう一捻り加わった。例のピッコロ劇団に利用者役を務めてもらうことには変わりないが、杖をついた視覚障害者、高齢者、車椅子に乗る障害者、高齢者、そして妊婦さんと、劇団員には多種多様な役作りが課せられた。プロ根性も相当なものだったろう。こうした場で優勝を狙うには、相当なメンタリティーを持っていなければ、圧倒されてしまう。

ことしの最優秀賞は阪神タクシー運転歴3年の清水聖史氏。阪神球団の和田豊監督専用車を担当する一人だ。ビップと常にお付き合いす人だからこそ、優勝をものにできたのかもしれない。清水氏は監督から「優勝以外の言葉は要らない」と送り出されたそうだ。監督もこれまで、いやというほど浴びてきた重い言葉に違いない。

<山田>

※10月7日付・週刊「トラポルト」第270号「正論・対論」より/写真:10月2日行われた兵タ協・第7回タクシー乗務員接客コンテスト、ロールプレイングの一場面