関西の私鉄はなぜ分裂している

2013年9月2日・第266号

私鉄系の関西地区における労働2団体の定期大会と定期総会が8月28日~29日、兵庫県豊岡市の城崎温泉において例年通り、別々お旅館で行われた。

2団体とは、私鉄関西ハイタク労働組合連合会(大城武一委員長)と私鉄関西ハイタク協議会(鎌田叶議長)のことだ。そもそも、共に上部団体を同じくする労働団体なのに、なぜ2つにわかれているのか、と疑問に思う新しい組合員も増えてきた。

大城委員長が労連大会あいさつで言ったように、2004年までは私鉄ハイタク関西地連として統一していた労働団体が、同年の大会を最後に、不幸にして分裂してしまった。それから間もなく10年が経過する。10年と言えば、ひと昔だ。

分裂の理由はともあれ、どの労働団体も組合員の高齢化と減少で合理化を強いられている今、同じ志を持ちながら異なる団体で別々にまとまらなければならない理由は一体どこにあるのか。大城氏の口調をそう感じ取ったのは記者だけだろうか、鎌田氏も総会で、今ほどハイタク労働者が厳しい環境に置かれている時はないと強調した。

ならばどうするのか。私鉄関西ハイタク労連出身の久松勇治氏は、私鉄総連ハイタク協議会事務局長として会合当日、2団体間を往復した。久松氏の持ち前であるフットワークで統一への道はあると信じる。

関西の私鉄が統一されていれば、もっと合理的な取り組みや闘争ができたこともあったはず。統一はやるなら今だろう。

<山田>

※9月2日付・週刊「トラポルト」第266号2面「正論・対論」より/写真:私鉄ハイタク関西地連に統一されていた当時、長年にわたり定期大会の常宿だった「川口屋リバーサイドホテル」で8月28~29日、例年通り私鉄関西ハイタク協議会の第10回定期総会が開かれ、私鉄ハイタク協議会事務局長として連帯のあいさつをする久松勇治・前私鉄ハイタク関西労書記長