新しいルールは新監査方針に現れる?

2013年8月26日・第265号

交通労連政策顧問で、早稲田大学教授の戸崎肇氏は、労使セミナーでの講演と質疑応答が終わるや否や、東京のテレビ局へと急行した。

全日空が8月19日、客室乗務員の約四分の一を占める契約社員の採用制度を廃止し来年春から全て正社員雇用に切り替えると発表したことに対するインタビューに答えるためらしい。

その戸崎氏は、セミナーが開かれた会場の外で待ちうける業界紙記者らにコメントし、2、3の質問に答えてから東京へ向かうというサービス精神を発揮された。

そのコメントは、「安全コストをどのように掛けているのかを知らしめて行く。業界のイメージを変えるため女性を活用していく。いつまでも旧態依然とした労働組合活動を続けていてはついていけない、ということを申し上げた」というもの。

最高乗務距離規制裁判の大阪の判決については、「新たな公示を出し、常にトライしてくことが大事。1回の公示では正確な数字が示せなくても、2回、3回と続ければより良い規制がとなる」。名古屋の判決には、「やはり説明責任が不足していた、ということは業界、行政として反省すべき。やはり最高乗務距離の規制は必要」と。

「タクシーサービス向上法」の趣旨は、再規制ではなく、新たなルールなのだという。どのようなルールなのか。その肝は、これから公示される新監査方針と基準に現れてくる、という気がしている。

<山田>

※8月26日付・週刊「トラポルト」第265号表紙「正論・対論」より/写真:左から:澤社長、戸崎教授、阿部・自動車交通部長、手水・事務局長