ライドシェア対応は国交省と共同歩調を

2015年10月21日・第345号

10月14日、東京都千代田区の「自動車会館」で10月度定例正副会長会議に出席し、発言する国交省の藤井直樹・自動車局長

シェアリングエコノミーで実施が決まっているのは民泊で、平成27年度に検討を始め、翌年に結論が出される。

同じシェアリングエコノミーでも自家用車ライドシェアの方は、国交省が規制改革会議に押し返している。規制改革会議は再度国交省にボールを投げ返すかどうか、検討の最中のようだ。その一環として、事実関係確認のため、全タク連など「相手側」をヒアリングすることもありうる。

規制改革会議の戦略は、これまでの動きを総合すれば明白だ。民泊で穴を開け、自家用車ライドシェア=白タク実施の時期を窺っている。すなわち、タクシー事業者側がオールジャパンで反対しているので、もう少し様子を見てから動こうということらしい。

9月11日の国家戦略会議ワーキンググループによるヒアリングに出席した国交省の藤井直樹・自動車局長は、ライドシェアを持続させるためには、株式会社に運営させる必要があると説明したことに対し、「だから自家用有償輸送がある」と地域公共交通会議について説明することで逆襲した。

この応酬で、青ナンバーのタクシーがデマンド交通の運行を市町村から受託(本紙5面参照)している実例も紹介したもようだ。

言うまでもないが、営業区域内で身軽に移動できるのがタクシーの特徴。それに対し、自治体がライドシェア参入の口実で、無理やり「空白地域」を線引きしたなら、業界側は拱手傍観してはいられない。ここは国交省と共同歩調で生き残りを賭けた反撃に出る必要があるだろう。

<山田>

※10月21日付・旬刊「トラポルト」第345号、旬刊「トラポルト九州」第50号「正論・対論」より/写真:10月14日、東京都千代田区の「自動車会館」で10月度定例正副会長会議に出席し、発言する国交省の藤井直樹・自動車局長。富田会長は藤井局長に、今後、毎回の正副会長会議に出席するよう要請した