九州の先駆として特定地域計画策定を

2015年4月11日・第329号

4月10日、熊本交通圏、千葉交通圏、東葛交通圏、京葉交通圏の4カ所で準特定地域協議会が開かれた。残念ながら、千葉の3交通圏では特定地域への移行が否決されたが、記者は小雨降るなか、熊本交通圏の準特定地域協議会を取材した。

熊本交通圏は政令指定都市・人口74万人の熊本市、合志市、菊池郡菊陽町、上益城郡益城町・嘉島町(=合計推計人口88万人)を抱える。この10年余り、さほど人口の増減はないが、市町村合併もあり、やや熊本市に集中している地域だ。

タクシー事業者数と車両数等は、規制緩和実施直後の平成14年3月31日現在、法人69社2267両、個人514者、合計2781両だった。増車抑制政策がとられた平成20年7月11日、法人事業者数には変化がないが86両増加する一方、個人は22両減少したものの、合計では2845両に増加。

こうしたなか平成21年10月、タクシー特措法が施行される。旧特定地域下、自主減車等の努力が実り、法人64社1941両、個人418者、合計2359両へ。法人は平成20年7月11日比17・5%の減車に取り組んだ。

しかし、営収は改善されない、「運転者が生活できる賃金を確保するにはさらなる供給削減が必要」という石崎会長の呼び掛けで、特定地域は全会一致で了承された。

これから特定地域計画策定を睨んだ論議が始まる。

熊本の夜間乗り場の適正化の取り組みには、中洲地区の自主規制に取り組む福岡市タクシー協会もしばしば視察に訪れるという。九州の先駆として、これから特定地域計画策定に取り組んでほしいものだ。

<山田>

※4月11日付・旬刊「トラポルト」第329号、旬刊「トラポルト九州」第34号「正論・対論」より/写真:2015年4月10日、熊本市東区の「熊本県タクシー会館」会議室で開かれた第2回熊本交通圏タクシー準特定地域協議会の模様