《人気コラム》
植田耕二氏著「直球・曲球」

「多田一族批判はここらで中止!」

2011年8月22日付 第173号掲載

相互タクシーの多田清氏一族のことを書き続けてきたが、読者の中には小野幸親氏や多田精一クンのことは「少し書きすぎじゃないか」「プライバシー権の侵害にならないか」などという“批判の声”もあちこちから聞こえてきたので、ここらで中止することにした。

なぜ相互タクシーの多田清氏一族にこだわったかと言えば、この業界の中では“タクシー王”や“多田天皇”と呼ばれ、本人自身も「その気になっていた」ことがある。大阪タクシー協会を自家薬籠中のもののごとく運営し、自分を批判する事業者を組織から排除するなど、そのワンマンぶりは天下周知の事実だった。

筆者は物書き業を始めて、いろんな人物を批判してきたが、公的立場に無い人をみだりに批判したことは一度もない。まして業界で無名の中小事業者を批判したことは絶対にない。「あなたの書かれるものは面白いが、その矛先がこちらに向いたらかなわないね」とよく言われたが、「ぼくは業界の指導的立場にある人以外、よほどのことがない限り批判しませんよ。ご安心あれ」と答えてきた。

多田清氏は論外として小野幸親氏のごときタクシー事業の経営にまったくの素人が、ついこの間まで大タ協の副会長を務めてきたのである。筆者は、小野幸親氏が業界の指導的な立場、公的立場に立っていなかったら、こんな批判的なことは書かなかったと思う。

おそらく大タ協の関淳一前会長も「相互タクシーという大規模事業者だったから副会長に指名した」ものだったろう。協会を運営する資金は会費だ。会費は台数を基礎に決められている。関さん自身が中小規模事業者。「大規模事業者を自分の執行部内に取り込んでおきたい」という配慮だったのであろう。いや、その前の大タ協執行部の三木源一郎会長の時代から小野氏は執行部に入っていたかも知れないが、仮にそうだったとしても事情は同じはずだ。

筆者の批判で参るような小野氏でないことは解っているが、自分の良心に従って「弱いもの(女性)いじめ」はここらで止めることにした。(次号に続く)