グレーゾーン解消制度照会で相談
シャスタビ巡り 国交省と経産省が花火
沖縄総合事務局は「指示待ち」姿勢


【東京】中垣吉雄・自動車局旅客課係長は6月17日、本紙の取材に「国土交通省は経済産業省に対し、ジャスタビ社のマッチング事業について、『違法性が高い』と主張している」と答えた。

  中垣係長は続けて、「調査でレンタカー会社とジャスタビ社との間に資本と人事に関連性があることが明らかになったからだ。ジャスタビ社がグレーゾーン解消制度の適用を申請したいとして、経産省に事前相談したことに伴い、同省から本省に照会があった。同省には、『違法性が高い』と伝えている。また、照会には随時答えており、経産省から照会結果が来るのを待っているところだ。

  一方、現在、問い合わせ中であるにもかかわらず、ジャスタビ社がマッチング業務を始めていることについて『不適切』と経産省に伝えている。今のところ、これによる現地でのトラブル発生については聞いていない」と答えた。

  ジャスタビ社がグレーゾーン解消制度を活用しようとしているため、違法性が高い事業であっても、国交省から沖縄総合事務局へ中止指導要請ができない状況だ。

  旅行代理店大手HISの子会社として設立された株式会社ジャスタビに、沖縄限定で旅行者などのレンタカー利用者(借主)と登録運転者を自社サイト上で選択させてマッチングする事業を、5月23日から「見切り発車」された。

  運転者の登録は、4日前の5月19日から始められ、ジャスタビ社公称で、すでに100人程度が登録されているという。運転者の労働の対価は、運転者があらかじめサイト上に示した時給等(1時間1500〜2000円程度、オプション有)に基づき、レンタカー利用者から支給される。

  沖縄県ハイヤー・タクシー協会は5月27日、那覇市の同協会内で開いた定期総会で、ジャスタビ社のマッチング事業を排除する緊急決議「県民の安全を脅かし、地域公共交通の継続を危うくするレンタカーを活用した観光ドライバー委託事業(白タク行為が強く懸念される事業)を断固阻止する」を採択し、国会議員、地方議員、国交省、全タク連、県バス協、県個人タクシー協組など関係する諸団体に呼びかけを始めた。

  同協会の湖城秀實会長は「ジャスタビ社は、沖縄でうまくいけば、全国展開したいと言っている」として、沖縄の固有問題ではないことを強調している。

  これまで国交省は、ジャスタビ社のマッチング事業について、「違法性が高い」としながらも、現地の行政機関である沖縄総合事務局に中止指導は出していない。前述の通り、同社のマッチング事業を経済産業省所轄事業分野として企業実証特例制度・グレーゾーン解消制度(平成26年1月20日に施行された産業競争力強化法第8条及び第10条の規定に基づく「企業実証特例制度」、同法第9条の規定に基づく)に照会するため事前相談を行っていることが「安全確保指導」の妨げとなっている。

  ※参考:経産省は昨年7月16日、道路運送法の取り扱いに関するグレーゾーン解消制度の適用申請をして出された結果について、つぎの通り公表している。

  「今般、事業者より、運転者と非運転者によるグループが共同で賃借するレンタカー等を用いて運送する際に、このレンタカー費用等を運転者の負担が軽く、非運転者の負担が重くなるような費用分担を行った場合、道運法第2条第3項及び第78条に定める自動車の有償運送に該当するか否かについて照会がありました。関係省庁が検討を行った結果、上記のような費用分担は、負担割合の差異について運送の対価性が生じると評価されるものであり、道運法第2条第3項及び第78条に定める自動車の有償運送に該当する旨の回答を行いました。これにより、今回の照会における自動車の有償運送への該非については、対価性の有無に関する基準等に係る判断がなされました」