ジャスタビ、レンタカーと運転者のマッチング事業「見切り発車」
石井・国土交通大臣が「中止勧告をする」と発言した直後の挑発行為か
全国に広がる恐れ 内閣府管轄の沖縄総合事務局は「指示待ち」の姿勢


【東京】旅行代理店大手のHISの子会社・株式会社ジャスタビ(本社・東京、三戸格社長)が5月23日に開設した旅行者向けウェブサイト上で、全国に先駆けて沖縄本島限定でレンタカー利用者に約100人登録している素人観光運転者から選ばせるというマッチングサービス事業を始めた。

  ジャスタビが運転者登録をはじめた5月20日、同サービスの全国展開も視野に入れていることに危機感をもつ福岡市タクシー協会の中井眞紀会長ら協会幹部は石井啓一・国土交通大臣を訪問し、白タク行為に該当するなどの問題点を指摘。これに対し、大臣は「中止勧告をする」と答えている。そうした最中の「見切り発車」は、国交省と業界に対する挑発行為とも言える。

  沖縄のフリーペーパー求人誌『ジェイウォ―ム』が3月に配布したものに掲載していた求人情報や国土交通省が三戸社長からヒアリングした4月上旬の企画では、レンタカーと運転者を同時に貸し出すことになっていたため、道路運送法に抵触する恐れがあると指摘し、改善を求めていた。

  しかし、その後、ジャスタビ社は国交省に対してレンタカーと運転者を切り離す意向を示してきたが、それに対し、国交省担当者は『良いとも、悪いとも』答えておらず、ジャスタビ社に対しては「全体の流れを見て、いろいろと話を聞かなければ分からない」と答えるにとどまっていた。

  この国交省担当者は本紙が取材した5月31日まで、ジャスタビ社がレンタカー利用者と登録運転者のマッチングサービス事業を「見切り発車」していたことを知らなかった。

  国交省自動車局旅客課担当者が5月31日、本紙のジャスタビ社に関する取材に答える中で明らかにした。担当者によると、レンタカーの貸し出しと登録運転者の選択が別々に行われていたとしても、旅行代理店のHIS、ジャスタビ社、レンタカー会社の3社間の資本関係、人事交流状況や契約内容がどうなっているのかなど、すべてを見て、それそれに関係がないかどうかを確認した上で、総合的に判断するとしており、「そうであれば道運法に抵触する恐れがある」として、現段階の最重点精査項目であることをうかがわせた。

  一方、サイトでは、登録した運転者が自ら、時給を1500〜2000円程度と指定している点については「総合的に見た結果、派遣業であり、運転者がレンタカー利用者からの業務請負の関係であれば違法とは認めがたい」とも指摘している。

  また沖縄の有力紙『琉球新報』が5月26日付・朝刊5面で報道した記事で、三戸社長が「国交省から(同サービスは)違法ではないと回答を得ている」と答えていると本紙が指摘したことに対して、国交省担当者は「どのような流れで、どのタイミングで(国交省が)そのような発言をしたかが明らかになっていない」としており、以前のやり取りを、部分的に都合よく解釈した可能性が高い。国交省は「なるべく早く結論を出したい」と話している。

沖縄総合事務局「国交省の判断が下りていない現状では指導できない」

【沖縄】内閣府沖縄総合事務局運輸部の玉城秀夫・陸上交通課長は5月31日、本紙の取材に「3月末のジャスタビ社の相談はレンタカーと運転者を合わせて紹介するもので、白タク行為として国交省から指導があり、状況は改善された。現在のものは国交省で精査中で、最終判断が来ていない。総合事務局はジャスタビ社からの相談内容やタクシー業界からの要請はすべて国交省に報告している。それ以外にも、ジャスタビ社が国交省に直接相談した件があると聞く」と答えた。

  ジャスタビのサイトがオープンになり、運転者登録と観光客間で仲介が始まっていることに対しては「国交省からよいともダメとも判断が出ていない状況で中止指導など踏み込んだ措置はできない。初めてのケースなので、国交省もいろいろと検討しているのではないか」として、国交省が中止指導という判断を下した場合に初めて、ジャスタビ社を指導する意向を示した。

  古曳郁美・国交省旅客課長補佐は、これより前の5月26日、ジャスタビ社問題に関する本紙の取材に「問題があるとして指導を行った」と過去形で答えている。

沖縄ハイタク協会、定期総会で白タク行為を行うジャスタビを排除する緊急決議

【沖縄】沖縄県ハイヤー・タクシー協会(湖城秀實会長)は5月27日、那覇市の協会研修室で定期総会を開き、白タク行為を行うジャスタビを排除する緊急決議を採択した。今後は国交省、自治体、バス協会、個人タクシーなど広範に白タク行為による違法状態を訴えるとしている。

  湖城会長は定期総会終了後、本紙の取材に「違法性のあるものについては、やる前に止めて、審査して問題がなければ開業するという流れにならないといけない。特に、安心・安全に関しては、いざ事があってからは遅い。その辺を十分に踏まえて判断してほしい。ジャスタビ社についても、そのようなことを想定しないと、何かあったときに、登録運転者だけに責任を負わせてもいいのか。企業の責任はないのか、あらためて考えてほしい。企業として事業をしているわけだから、白タクに間違いないと思っている。運転者を提供して対価を得ることに常習性がある。ジャスタビ社はサイトで紹介手数料を得ている。無許可営業と同じことだ」と答えた。