大タ協経理部長が推定2億円の業務上横領
第三者委員会設置で原因究明と再発防止策の声
臨時理事会 危機管理の欠如と厳しい指摘


【大阪】(一社)大阪タクシー協会の経理部長(61)が協会の財源から多額の業務上横領をしていたことが明らかになった。協会は推定で一般会計の年間予算に相当する約2億円としている。

  経理部長は悪質な競走馬ファンドに使っていたとしており、勝ったときには配当金を入金していた。4月25日の給料分を支出した後、5月10日引き落とし分の残金がないと分かり、翌26日に弁護士帯同で協会専務理事に業務上横領を告白した。経理部長は38年間、協会職員を務め、定年退職直前だった。横領をはじめた時期と動機は現在不明。

  現在、横領の全容を把握するため、銀行に1年以上前の入出金状況を開示するよう求めており、調査終了時点で被害額は膨らみ、数億円に上る可能性もある。経理部長が手を付けたのは、一般会計、広報会計、共通チケット事業会計、大阪府福祉タクシー運営協議会のチケット会計、職員の退職金基金、職員互助会会計など、ほぼ全域にわたり、残金はほぼゼロの状態になっていた。一方、経理部長以外の職員が担当していた近畿ハイタク協議会、各労組団体と経営者で構成する共済は無事だった。

  三野会長は5月17日、臨時理事会を緊急招集し、「全ての解明には時間を要するので、本日の臨時理事会を招集し、お集まりいただき、お詫びと経過報告をするに至った。今後の協会運営については、会計的に窮屈な運営になるが、定款に定める目的の事業、具体的には3月理事会で確定した事業計画を推進していきたい」と語った。

  また臨時理事会では、薬師寺薫・理事最高顧問から、会費だけでは運営が難しい事態が発生したときのことを想定して、会員の負担を避けて理事が協力して応分負担するとの緊急動議が提出され、出席者の多数が了承して可決した。

  出席理事は概ね、執行部を叱咤激励したとされるが、一部理事からは「危機意識が欠如している」などの痛烈な批判があったほか、「早急に第三者委員会を設置して全容と原因の解明と再発防止策を講じるべき」という声があった。三野会長は「第三者委員会は執行部による全容解明が済んでから、しかるべきときに考えたい」と慎重な構えを示した。

  現在、協会は顧問契約先の法律事務所、会計事務所に連絡し、事実関係の解明に務めている。当該経理部長は今後、懲戒免職の上、刑事と民事の両面から告訴する方向としている。

  平成24年4月に一般社団法人に移行することで監督行政となった大阪府には、毎年決算報告をするとともに、公益目的支出額の報告が義務付けられている。公益目的支出計画は平成24年4月に約1億16百万円あった残余財産を毎年約2千万円ずつ切り崩し平成30年にゼロにするというもので、「タクシーの日」行事など公益事業への支出を適正に行った上で、決算期に毎年、府に報告しなければならない。

  公益目的支出額は、昨年4月には約4280万円の残高があったが横領され、現在は数百万円の残高があるだけ。協会はこれから府に相談するとしているが、当初計画から大幅な変更となり、立ち入り検査に該当するのでは、との指摘がでている。