安部教授ら 大阪19自治体と意見交換
位置付けは任意 8月18日、大阪市内で
次回準特定地域合同協議会で参考提示へ

(2014年8月21日付・第306号)

【大阪】タクシー事業の活性化に係る意見交換会が8月18日、大阪市中央区の「ホテルプリムローズ大阪」で行われた。大阪府下の自治体関係者によるタクシー利活用に関する意見交換が必要とする大阪府タクシー準特定地域合同協議会会長を務める安部誠治・関西大学社会安全学部教授の「これからのタクシーは地方自治体との連携による活性化策がひじょうに大切になる」との考えによる提案で開催に至った。

  当日は大阪府など19自治体、タクシー業界からは(一社)大阪タクシー協会、(一社)ワンコインタクシー協会、(一社)全大阪個人タクシー協会、(公財)大阪タクシーセンターが出席し、全員が意見を述べた。

  会合では冒頭、議長を務める安部教授が「タクシー適正化活性化法が5年前に成立し、その改正法が1月に施行された。タクシー問題が大きくなっている地域で特定地域協議会を設置し、適正化活性化の議論をしていくことになった。1月に新法に基づく大阪府タクシー準特定地域合同協議会を設置した。適正化と活性化の2つの柱があるが、活性化については、タクシーは地域的な性格の強い乗り物なので自治体との連携を強めることがひじょうに重要だと考える」としたうえで、意見交換会の開催について「大阪府タクシー準特定地域合同協議会に直接関係するということではなく、会長を務めるわたしの提案に基づき、事務局(大タ協)が開催する任意の意見交換会として開催する。各自治体では公共交通を維持するためのいろいろな取り組みをしているので、特に公共交通のなかでも自治体におけるタクシーの利活用の現状と課題について意見交換を行いたい」と趣旨を説明。

  次回秋に予定されている大阪府タクシー準特定地域合同協議会開催時に意見交換の内容を参考として提供する。阿部竜矢・近運局自動車交通部長が新旧タクシー特措法と施行後の状況等、大タクセンの田中専務理事は活性化策として論議が進めれらている大阪インターナショナルタクシーについて説明した。定期的開催となれば、そのあり方を考えていく。次回開催は1〜1年半後。

  当日出席した19自治体は、大阪府、大阪市、堺市、豊中市、吹田市、高槻市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、富田林市、寝屋川市、河内長野市、大東市、箕面市、柏原市、門真市、藤井寺市、豊能町。このうち大阪府、大阪市、堺市など8自治体は大阪府タクシー準特定地域合同協議会の構成員。各自治体の主な意見はつぎの通り。

  ▽大阪市=重度障害者に対するタクシー運賃補助事業、移動困難者に対する初乗り運賃補助等に約9億円拠出。これらは市営交通の一部補助との選択制。福祉タクシー配車綜合センターの設置補助など。福祉利用補助については一部に不正利用があるとの情報提供が後を絶たないとの苦言▽堺市=3月から堺第一交通が運行するセダン型タクシーによる完全予約制の乗合タクシーの実証実験を開始。7月末までに1891人の利用で、1両当たり1・4人。実証実験年間予算は推計700万円――など。

  出席自治体からはこれらを参考にタクシー利活用を検討したいとするところがある一方、コミュニティバスはじめ現行の公共交通機関で網羅されており、今のところ必要性を感じないとする自治体があった。河内長野市からは「バス路線もなければバスが進入できない狭い道があるところもあるが、デマンド交通を実施すると既存のバスやタクシーと食い合いになる可能性がある。限界集落で予約制のデマンドを行うというのは賛成だが、そうでない地域では行政が補助を出すことによって安いハイヤーになってしまうのではないか」と懸念を表明した。

  大阪府は総括的に、「タクシーの利活用でいろいろな考え方がある。ひとつは交通不便地域で地域の足としてタクシーをどう使うか、観光インバウンドの観点からタクシーを考えていく、高齢化社会のなかでセーフティネットとして福祉輸送としての活用、 大きく3つの考え方があるのではないか。それは地域によって地域の思いや狙い、解消すべき課題などさまざまあるので、地域によってオーダーメイドの制度設計が必要ではないか」と提起した。今回の意見交換で、公共交通政策に関する部署を設置している自治体は19府市のうち大阪府、大阪市、堺市、河内長野市であることが分かった。