全タク連3月定例正副会長会議、次期会長に川鍋氏を推薦
富田会長、8年近く前に川鍋氏に後任を打診していた
川鍋氏、四大手の現状を詫び、「地方の状況を一から勉強し直す」決意


【東京】(一社)全国ハイヤー・タクシー連合会(富田昌孝会長)は3月8日、東京都千代田区の「自動車会館」で、定例正副会長会議を開いた。冒頭、6月の任期満了で勇退を決意している富田会長の後任に川鍋一朗副会長(日本交通会長)を推薦することを了承した。6月の理事会及び通常総会で提案され、異議がなければ就任が決まる。

  富田会長は冒頭、昨年10月、全タク連本部で体調が悪くなってから今期限りでの引退を決意するまでの過程を報告。「体調が悪くなった時点でやめるべきだったが、途中で辞めるのは失礼になるので、もう少し、頑張ろうと思い、6月の任期満了までは頑張ってやっていこうと思っている」と現在の心境を語った。

  また、「平成21年6月に車両数規制ができたので、辞めるつもりで川鍋(一郎・現副会長)さんにお願いしたが、川鍋さんは『とても、今はできない』と言うので、仕方ないと頑張っていたところ、その後(退任が)8年近く延びてしまった。ひじょうに残念だったが、ここまで延びた。あの時、辞めていれば病気にもならなかった」などと冗談を交えて振り返った。

  その上で、「特措法関係は実際には終わっていない。まだ皆さんにやってもらわねばならないことがたくさんあり、ぜひ皆さんには、引き続きお願いしたい」とした。

  富田会長はこの他、平成27年に惹起した白タク・ライドシェア問題に触れ、「ようやく業界が頑張らなければ良くならない、ということで、11項目を作り、白タクに対抗するよう、頑張っていかなければならないと考えた」と述べた。

  坂本克己・タクシー事業適性化・活性化推進特別委員会本部長は「難しいときに特別措置法、改正特別措置法と、他の業界から見ると、よくぞタクシーはこれだけのことができたと、政界、財界からも感嘆の言葉で評価されている」と富田会長の業績を讃え、出席者を代表して謝意を表明した。

  その上で、「(勇退後は)会社で言う、代表権のある会長で、本当の意味の名誉会長ということで、よろしくお願いしたい」と述べた。


次期会長に推せされた川鍋一朗副会長(日本交通会長)が「地方の状況を一から勉強し直す」


  川鍋一朗副会長は「足下の東京大手4社のことで、皆さんにご迷惑をおかけしており、深くお詫びを申し上げたい。いろいろといきさつはあるが、当初の企業理念を履行できず、お恥ずかしい限りだ。これは私一人だけでなく、4社で話し合いをしながら、何とかできるだけ早く収束させるよう、全力で頑張りたい。皆さまには今しばらくのご辛抱をお願い申し上げたい」と東京の4大手分裂問題に言及。

  その上で、「これまでは東京の会長で全国の副会長をやらせていただいたが、自分の気持は、やはり東京ということで、ここまでやってきた。正直、地方の皆さんの実情をキチンと把握し、勉強し、皆さんと意見を戦わせた上で実行しているかと言うと、心の中で、必ずしもそうではないだろうと実感している。全国の会長に指名されたからには、しっかりと、遅ればせながらだが、地方の状況を一から勉強し直し、そうしたタクシーの状況の中で何ができるのか。東京は東京でやるにしても、全国の実情に合った最適なものをまとめ、情報を共有して、明日のタクシー産業の姿にしていきたい。今まで東京に偏っていたことを、これからは地方にキチンと目を向け、しっかりと運営させていただきたい」と抱負を語った。

  最後に、「今は戦時中。これまでタクシーとタクシーの戦いはあったが、タクシーと全くタクシーではないものとの戦いは歴史上初めてだ。いわば、我われはタクシーというビジネスモデルが自動運転に取って代わられるという、人類の存亡をかけた戦争≠しかけられている。こでは勝たなければならない。安全・安心を望んでいる利用者のために頑張ってサービスを提供する。結局、敵は誰なのか。自動運転やアプリは鉄砲みたいなもの。これをどう使いこなすのか、ということだと思う。敵はウーバーなのか、ジャスタビなのか、ノッテコなのか。仮想の敵は置くことができるが、ドイツや韓国ではタクシーは要らないと言っている。『タクシーで十分。ウーバーは要らない』と国民が言うレベルまでタクシーが武装して、(それらの国では)我われが定義するタクシーかどうかはわからないが、十二分に国民の要請に答えている。柔軟性と安全性がある。結局は、我われ自身の中の戦いなのではないかと感じている。したがって、我われ自身が変われるかどうか、国民の皆さんに、タクシーというビジネスモデルを選んでもらえるかどうかということだ。このタクシー産業がIT武装をして、自動運転の時代に、我われがハイヤー・タクシー連合会がキチンと国民の安全・安心を守れる存在として進められるよう、方向付けができればと思っている。とは言うものの、2019年のラグビーワールドカップまでの2年は、彼らが大いに攻めてくる期間だ。まずは初速を大事にしたい。これまでの川鍋の動き方ではない、新しい川鍋の姿にすべく、全力で取り組みたい。これまで以上のご指導・ご鞭撻をよろしくお願いしたい」と表明した。