ささえ合い交通 ウーバーで現金決済
京丹後NPO 協議会経ず半年で単独変更
利用者の声トップは全域帰路乗車


【京都】NPO法人「気張る!ふるさと丹後町」がウーバー・テクノロジーズの配車システムを使って京丹後市丹後町で運行している「ささえ合い交通」が、12月21日から現金決済を導入した。

  「ささえ合い交通」は5月26日の運行開始以来、「運送の対価」の支払い方法はクレジット決済に限るとしていたが、丹後町の人口約5千5百人の約40%が65歳以上の高齢者であることなどで、スマートフォンやクレジットカードを所有していない人にウーバーは期間限定でタブレットを無償貸与したり、9月18日から近所の人が代理で自分のスマホやタブレットから配車要請する「代理サポーター制度」を導入していた。

  これに対し、京丹後市内に網野タクシー、久美浜タクシー、峰山自動車の3社23両が所属する京都府タクシー協会関係者の間に「『運送の対価』の支払い方法の変更には、京丹後市地域公共交通会議を開催して変更の了承が必要なはずではないか」と運営サイドだけの判断でクレジット決済限定から現金支払いを含む方法に変更したことに疑問の声が広がっている。

  京丹後市によると、次回の地域公共交通会議開催は来年1月11日。「正月早々、何事か」という声も聞こえてくるが、この会合に地域公共交通であるタクシー業界から、古参の峰山自動車だけでなく、4月に開業した網野タクシーや久美浜タクシーも委員に入れるべきとの声も上がっている。

  NPO法人「気張る!ふるさと丹後町」などによると、今回、現金支払いも可能にした理由について「代理配車は好評を得ており、現在全体の利用の約40%を占めている。しかし、代理配車の場合、利用者は後日乗車料金を代理人に支払う手間がかかるため、利用時に直接ドライバーに現金で支払いたいという意見があった」とした上で、「より多くの高齢者の通院や買い物をサポートし、外出する機会の創出を目指したい」と利用増に期待する。

  NPO法人「気張る!ふるさと丹後町」では、「ささえ合い交通」を運営してきた半年間、利用者の声に「利用したいけど利用できない」理由として特に多かったのは、「スマートフォンがない」(19%)、「クレジットカードがない」(21%)、「(丹後町外で乗車できないため)目的地に行くことができても帰ってくることができない」(25%)などが上位を占めていたという。

  「ささえ合い交通」が運行を開始した5月26日から11月25日まで6カ月間の「利用実績」が12月21日、公表された。だが具体的数値は総実車走行距離の3416キロだけ。そこで本紙は運行は年中無休、1日朝8時から夜8時までの12時間配車可能としていることから、1日平均実車走行キロを18・6キロと割り出した。

  ところで、「ささえ合い交通」の登録ドライバーは18人。そこからだした実動日車キロは、わずか1キロに過ぎない。初乗り1・5キロ480円、事後加算(距離制のみ)1キロまでごと120円なので、実際にはありえない話だが、登録ドライバー全員が毎日1キロの配車要請に応じたと仮定すると、480円×18人=8640円、半年間(184日)で158万9760円。ここからウーバーの手数料20%を差し引くと、残額は127万1808円で、1人あたりの月額は7630円。ここからガソリン代を差し引くと、7000円弱が残る計算だ。またNPO有償輸送保険を本人が支払っているとすると、ボランティア輸送とは言え、厳しい対価と言えそうだ。

  もっとも、「利用実績」は、そうした現実的数字よりも利用者の行き先や感覚を重視している。利用実績の傾向として「ドライバーおよび利用者共に女性にも受け入れられていることが分かった。丹後町の地元の人が約8割利用し、残り2割は海外を含む京丹後市外で利用者登録した人による利用となっている」として、「京丹後市が推進している観光戦略にも寄与している傾向がうかがえる」と自負。

  主な乗車場所は「間人(たいざ)市街地で、地域住民だけではなく、旅館なども多くある場所から乗車している。また、降車場所については、丹後町内の『宇川温泉 よし野の里』や『自然200選』にも選ばれている丹後松島付近や、丹後町外で降車した方では、網野町や峰山町など、スーパーなどの日常使いの店や病院、役所などが集まる場所への利用が一定数あることが分かった」としている。

  利用者によるドライバーの評価については「平均は5点満点中4・92であり、東京の(エムケイハイヤーなど)プロのドライバーの平均評価である4・6よりも高い結果となった」などとしている。